むしょくとうめいのらくがき

鉄道と酒と野球ではしゃぐ4歳魚と26歳児の気ままな放浪記とか落書き 

【記録】焼きたてパン、群青、始発前の回送列車 -2021.6.16

「この前二連休だった時~、何かしなきゃ!って思って~」って言ってた職員、ちゃんと休めてるんだろうか。

 

 

 時として謎の連休が発生するのは変形労働時間制の数少ない魅力であろう。何でも正職員に聞いてみると、この現場は休みの多さをメリットとして謳っているらしい。まあ半面デメリットもあったりするのだが、休日のはずの正社が「仕事が終わらないから」といってしょっちゅう休日出勤しているのはもはや欠点としてのみ作用している。

 また非正規職員である僕にとっても、13時で終わる日もあれば16時から始まる日もあるわ、7時半から22時まで仕事の日もあるわ……というのは正直やめてほしい。どのシフトが当たりはずれ、ではなく「全部バラバラ」なのが問題なのである。

 

 ともあれ「休み」だけでも甘美な響きなのに、3日休みが続くだけでそこそこ値の張る赤ワインを飲んでいる気分になる。時折母主催のもと、何種類かのワインを飲まされる「ワインパーティー」なる会が行われるのだが、どの海外の商人から札束いくら積んでどういうルートで買い上げたのか?と訊きたくなるような黒くておしゃれな瓶(語彙力)が出てくる。まあ雑魚なので、値札を隠してそれっぽい名前を出されたら「わあ、なんて高そうな!」と反応するのだが……。

 

 しかしこの前発生した三連休では、結局お酒は飲まなかった。気乗りしなかったわけではないが、直前の週末、翌日は朝から13時間労働だという夜にしっかりと飲んでしまったので、まあやめておくか、となった。

 本音を言うと翌日が休日か否か、何ならシチュエーションは関係なく毎日でも飲みたいのだが、言うまでもなくドライブとの両立はできない。法律を差し引いても、万一にも運転中に手元足元が覚束無くなるのでは困るのだ。

 

 そういう点を考えると、やはり鉄道から離れるわけにはいかない。

 NHKでたまに放送される『六角精児の呑み鉄本線・日本旅』を見ていると、鉄道に飛び乗って程よく酔いながら気ままに旅するのいいな~、なんて思うわけである。あの番組、確かに旅先の酒蔵をめぐっては地酒を堪能したりする一方で、列車での移動中では缶ビールだったり、また鉄道車両にもかなりスポットライトを当てているところが好きである。六角さんが車両基地のある駅でふらりと降りたり、実際に見学に行ったりする点も好きだ。

 

www.nhk.jp

 

 車を手に入れる前は隙あらば鉄分不足を唱え、それこそ「△△ではあれど、それでも□□であり、○○だからゆえに私は鉄道に魅かれている」などと書いたと記憶している。あれは本当にどこへいったのだ、と思う。

 その記事を書いて以来、電車に乗った回数そのものが片手で数える程度しかないような気がする。呆気ないなあ。人生こんなもんか。

 

 

 ということで、この前は久しぶりに「乗り鉄」を楽しむことができた。 行先は村松五泉から、280円分の旅である。

 

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2021.6.16 冬鳥越スキーガーデンにて

 大嘘である。

 

 

 

 しかし客席に座れば「時間になれば走り出すのでは?」とか思うし、運転台に実際に入れると「マスコンを引けば走れてしまうのでは?」と思わずにはいられない。おお、はしゃぐ24歳児。声色に釣り合わない、キャッキャ、と笑うのが聞こえてくるようだ。

 

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2021.6.16 冬鳥越スキーガーデンにて


こう考えている輩が本当に電車を動かしてしまわないための「静態保存」なのだが、仮にもうスピードメーターの針が「0km/h」から動かないとしても、客席に貼ってあるパン屋の広告がとても味わい深かった。

 

 おいしいパンで、すてきな一日がはじまる気がしませんか♪

 

 広告下部に記載されていた市外局番から始まる番号、実際にかけたら通じるのか?という邪推はさすがにしなかった。しかし車内広告が大手進学塾や美容サロンでなく、地元のパン屋のそれなのは、いかに蒲原鉄道が地域に愛された路線だったかを何より物語っているといえよう。……まあ無粋ながらもツッコむと、他には何か広告らしいものは載せられなかったのかということ、そして朝に美味しいパンを食べれば確かに素敵な一日になろうけれど、そのパン屋はさて何時から営業なんだろうか?ということである。

 朝食という体で売れるほど早く営業開始、となると……ううむ、大変そうだなあ。少なくとも休日は11時半(もしくはそれ以降)起床がデフォルトの夜型人間だから、朝食という文化そのものを久しく忘れてしまっている。あるとするなら朝に起きるのではなく、朝まで起きているパターンだ。

 

 

 それでもこの日は、空がまだ寒い色のままなうちから街の中を歩いていた。

 

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8561レ -2021.6.16 新津駅にて

 

 こちらは嘘ではない。しかし仲間から「よく起きられましたね」と言われたのは訂正しなくてはいけなかった。前日に全く寝付けず、結局夜中3時頃までなんとなく呆けたのち仮眠のような寝落ちから覚めたのだったか。一応アラームは役に立った。ちなみにこの情報をわざわざTwitter(リア垢)のDMに送り付けてきた当人はセットし忘れて寝坊したらしい。恨むぞ貴様。

 

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此の町の群青 -2021.6.16

 ただまあ、おかげさまで久しぶりに朝の美しきを堪能できた。たまには良いものである。もちろん帰ってから二度寝を決める、ということが前提ではあるが、なるほど、このあと行きつけのパン屋でもあれば「素敵な一日」の予感を味わえることだろう。

 しかし驚いたのは、始発が動く前から新津駅付近にはカメラもスマートフォンも構えない人がちらほら、犬との散歩やランニングをしていたことである。配給や廃回でなくても、そもそも線路上なんかには目もくれず、実に鼓動ははっきりと日課をこなしていく。この人たちはおそらく「起きた」のではなく、いつも「起きている」のだろうなあ、なんと勤勉なることか……。

 

 言うまでもないが、8561レ*1に関しては夜通し近畿~北陸と引っ張られてきたわけで、機関車共々「御苦労様」に尽きる。なんとなく新津駅を通過してなんとなく羽越本線へと分岐していったけれど、あれが津軽海峡を越えて北海道へ渡るとなると、運用に就く前に疲弊したりしないんだろうか?……なんていうのは、怠惰な人間の発想だろうか。

 

 残念なことにこの「怠惰」という言葉はそこまで嫌いでもない。多少はペテルギウス・ロマネコンティ(および担当声優の松岡禎丞)の影響を受けたかもしれないが、それこそ「勤勉」の対義語としてこれ以上しっくりくる言葉もない。*2

 

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魚「ここはどこ?」僕「知らない……」 -2021.6.16

 結局この日は当てもなくとりあえずだらけるぞ、と言って、11時くらいに起きてから車を走らせた。290号*3とかあとは(比較的)走りやすそう且つ気の向くほうへ適当に折れて、村松から加茂、そこから栃尾にたどり着き、見附の日帰り温泉へ行った。一切高速道路を使わなかったけれど、下道でもなんとなく走ってみればそれなりの移動ができるものである。

 

 おかしいな、こんなはずではなかった……と思いながら、難解な言葉で講釈を垂れた記事を見返してみた。あれもあれで、こう……アレである。どれだよ。

 しかしある日の夕暮れ、窓を開けて403を西へ進んでいると、田園の向こう側を自分と反対方向へ走っていく115系が見えた。なるほど、これは新しい景色であるなあ。

 

 

 

【おまけ】

 

 きょうのおもいでをその他の写真で振り返ろうのコーナー(←何)

 

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旧・蒲原鉄道の機関車(形式忘れた) -2021.6.16 冬鳥越スキーガーデンにて

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川と公園のある街並みがだいすこなシリーズ -2021.6.16 栃尾付近

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見附にある「さぎの湯 しらさぎ荘」で湯上り後の夕食 -2021.6.16

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:なんでもJR北海道H100系の甲種輸送、とのこと。詳しくはごめんなさい全くわかりません。いつも思うけどこの回送・貨物等の列車番号やダイヤってみんなどこから仕入れてくるんですか?

*2:TVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』より。

*3:五泉市村松から、加茂市三条市・下田方面へ抜けていく県道。