むしょくとうめいのらくがき

鉄道と酒と野球ではしゃぐ4歳魚と26歳児の気ままな放浪記とか落書き 

どの電車が一番好き?~無理矢理ベスト10選んでみた~

はてなブログ10周年特別お題「好きな◯◯10選

 

 先日の車両基地見学で「プロ」達の熱意にうたれた話をした。

 あの時は一心不乱にレンズを向ける職人に圧倒されて「ふへへ」と間抜けな笑い声を出すしかなかった。しかし知識量・機材や角度、技術へのこだわりは差し引けば、かつて「でんしゃはかせ」と自称して新幹線に手を振ったりした少年の姿に重なった。忘れていたのはああいう、何かに夢中になることだったのだー。

 というのが動機……ではないが、なんとなく「好きな車両」というテーマで何となく書いてみたかったので、お題記事への応募という形で筆をとらせていただく。

 

 

 

10位 E657系(特急「ひたち」「ときわ」) 

 

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E657系

 常磐線で特急「ひたち」や「ときわ」として活躍するE657。

 先代の651・E653をちゃんとリスペクトしたデザインである*1。初乗車は2019年2月、僕が大学3年の春休み真っ只中のことだが、内装も上質且つ新しいものだったのでデビューしたばかりだっけ、と思っていたら勘違いだった。僕が高校に上がるころには既に走っていたのだ。

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 ところでこの列車には同2019年の8月と計2回乗り、そのいずれも事故や天候不良が重なって大幅遅延をしている。

 呪いなのだろうか。しかし「1時間半以上の遅れを見込んでおります」という放送も、2度も聞けば慣れたものだった。おかげで上野駅の地理(ただし構内に限る)には多少詳しくなり、回復運転という名目における特急らしい爆走ぶり*2も堪能した。

 当時は水戸に住んでいた友人と遊んだ。思い起こされるのは花ひらく前の静けさに満ちた偕楽園海浜公園で見た植え替え作業中のコキア、霧のような雨が荘厳さを演出する滝、14安打2得点で逆転負けしたパワプロ対戦*3である。

 

9位 キハ85系(特急「南紀」「ひだ」)

 

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名古屋を発着するキハ85系「ひだ」

 東海非電化地区のエース・キハ85系である。

 

 高山本線の特急「ひだ」に乗り、高山へ旅行した。単線で行き違いなどもあり、名古屋~高山間でも3時間ほどは要した記憶があるが、まるで水面の上を走っているかのような風景を「ワイドビュー」で楽しめる、なんとも贅沢な移動だった。

 TVアニメ『氷菓』の聖地としても知られる高山市、情緒溢れる街並み・橋のなんと美しいこと。高山ラーメン飛騨牛串、喫茶バグパイプのレアチーズケーキ、宿の朝食に温泉、あと名古屋駅で食べたきしめんと、駅弁の天むす……。

 ううむ、思い出したらお腹がすいてきたな。ちなみに一番記憶に残っている食べ物は、初日の夜に地元スーパーで買った天然酵母パンである。美味しかったが、何故夕食付プランにしなかったのかと大学4年秋の自分に問いたい。

 

8位 683系(元・特急「はくたか」 現「しらさぎ」など)

 

 ベスト10にランクインさせたのに写真がない。許してクレメンス。

 

 ちなみにサンダーバードしらさぎにも全くの未乗車である。何なら北陸本線湖西線は未乗車路線、全てが真っ赤な駅だ。にも関わらず取り上げているのには、特急「はくたかの存在があったからだ。

 小4の家族旅行は、特急「北越の不通により迂回ルートを取ることになった。おかげで『電車でGO!』でもおなじみの高規格路線爆走劇を堪能できたことは嬉しい。160キロキモチイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!まあ、あのゲームで「はくたか」をクリアしたことは一度もないのだが……。

 専らこの車両はyoutube等でも「過剰スペック特急」などと言われているが、改造などを受けても元気そうなので安心した。ただ、この車両が新潟を走っていたという事実が「そういわれてみればそう」と言う感じで、現実味が沸かない。

 

7位 211系(中央本線高崎線上越線……など) 

 

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211系「長野色」

 大月で富士急からJRに乗り換える際の列車・211系である。

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 大月から211に乗るとなんだかわくわくした。高尾方面なんぞ何度も通っていて、トンネルは視界を遮るというのに。単に同級生が自虐するような「脱獄」の意味合いだけではない、ただの買い物ですら「旅」に思えるような、路線と車両だった。

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大月~初狩の橋梁を渡る211系 

 帰路の所要時間が3倍くらいに感じたのも、今となっては良き思い出だ。冬の隙間風はちょっとツラかったけれど。

 

6位 383系(特急「しなの」)

 

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名古屋駅から発車する383系特急「しなの」

 中央線特急、と聞いて「あずさ」ではなくこちらを思い浮かべる人も多いはず。塩尻~松本の間は同じ線区を走るのに料金体系が全く異なることで、youtube「謎のちゃんねる」でも取り上げられた*4

 昔やっていた鉄道番組で「しなの」を特集した回が好きだったので、ナゴヤドームへ行ったときの帰路にこの列車を指定した。やはりこの時も朝飯としてホームできしめんを、車内のお供に天むすの駅弁を食べた。

 この列車は長野寄りの先頭パノラマグリーン車が売りだが、

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貫通扉の先頭車もあるので併結運転可能

 こういう先頭が流線形になっている車両の、貫通扉タイプの先頭車がたまらなく好きだ。似た例としてはキハ85や683系もそうだが、通称オーシャンアローこと283系智頭急行特急「スーパーはくととして走るHOT7000系などだろうか。あとは「スーパー雷鳥用に改造された485系の中間運転台車なんかも、図鑑で見て「いいな」と思った記憶がある。

 理由は単純。3~5歳の僕にとって、貫通扉の顔はイラストに描きやすかったのである*5

 

 

5位 E257系(特急「あずさ」「かいじ」→改造後:特急「踊り子」など)

 

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E257系

 乗るたびに撮ったのに現PCに残っているのが一枚しかない。ちなみに初乗車は5歳くらいの家族旅行だったと記憶しているが、新宿で待機中のE257をバックにした姉との2ショット写真が実家に飾られている。

 あの時は睨んできて怖い顔だなあ、とか思ったものだ。しかし白地にワンポイントのカラフルな菱形模様といい、内装といい「かわいらしさ」も感じるようになった。

 

  E257はかわいい。

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 可愛らしく、いとおしく。そして逞しく峠を越えて盆地を駆け抜けていく走りぶりは、いつ乗ってもたまらないものだった。東海道線や伊豆方面でも可愛がられ、大切にされることを願ってやまない。

 

4位 E2系(新幹線「やまびこ」「なすの」「とき」「たにがわ」など)

 

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㊧回送となるE4系 ㊨発車を待つE2系

 側面のマークが青森りんごのままだから、八戸行の「はやて」のイメージが抜けるまでには時間がかかったものだ。上越の顔になって久しいのに、未だに新しいマークを導入する話は聞かない。もっとも、考えてみれば東北の運用にもまだ就いているのだった。

 しかしワイパーの角度がこうも印象を変えるとは。碓氷峠越えの使命を力強く果たすスピードランナー「あさま」としての表情は一転、なんだか「なにそれ、おいしいの?」とでも言い出しそうな、のほほんとしたイメージを含んで見える。

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E2系上越新幹線の主力

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東北新幹線では「つばさ」と連結

 のほほんとした顔のままで、彼は清水峠を越えて僕を関東へ何度も連れて行き、新潟へ連れて帰ってくれる。あるいは「つばさ」「こまち」と連結して楽しませてくれる。ホームでE2系に遭遇するたびに、最高のエンターテイナーだなあと思わずにはいられない。

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3位 キハ110系(磐越西線羽越本線八高線飯山線……など)

 

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東新津駅に到着する磐越西線キハ110系

 単線非電化区間、と聞くと、大自然の中を縫うような線路や、開けた田園風景を思い浮かべることが多い。そういう線路の脇を通りかかって、運良くやってくるキハ110系気動車を見送るときはいつも「美しい風景だなあ」と感動する。この車両は風景とワンセットなのだ。

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夕暮れの馬下駅で出発を待つ

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大白川駅に佇むキハ110

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 地方ローカル線の旅情を味わいつつ、車内も走行も快適なのが好きだ。眺めていても美しく、乗っても心地よい。

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 現在羽越本線では、新津を14時台発の新発田行がキハ110系2両で運転されている。暇ができて、キハ110を目当てに乗って、なんとなく新発田に行く……というのも楽しみの一つだ。

 

2位 E653系(特急「しらゆき」「いなほ」など)

 

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E653系「いなほ」

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E653系「しらゆき」編成

 好(以下略)。

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 車両センター見学のときもハアハアしすぎて正気を保つのが大変だった。この時ばかりは同行者も呆れただろう。

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相棒のお魚にとっては第一位

 ちなみに相棒のお魚にとっては初めて乗った特急列車。良かったね~、しらゆきかっこいいね。

 

 

1位 E353系(特急「あずさ」「かいじ」など)

 

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E353系

 神……

 

 デビューした時からあれは神だと思っていた。E351をリスペクトした紫色は、黒帯と白地の隙間にとどまりながらもかえって神々しさを放っているではないか。表情は凛々しさを増し、軽快且つ逞しい走りを見せてくれそうだー。

 なんてことを考えていたら、2018年の正月明けに乗る日が来た。新潟への帰省から戻る深夜バスを新宿で降り、寝惚けながら9番線の列車に乗り込むと……。

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E353系車内 懐かしい「スーパーあずさ」の列車名

 神。(二回目)

 

 なんと上質で気品ある車内だ。あまりの美しさに絶句した。

 おまけに座席にはコンセントのようなものがついている。まあ飾りだろう、モバイルバッテリーはあるし……と期待は全くしないながらも、試しにケーブルを差してみる。

「……充電されてる」

 なんということだ。この列車、大月到着までの1時間で結局携帯を100%まで回復してしまった。駅メモフル稼働、且つ極寒だというのに、何度見ても携帯はフル充電されていたのだ。背もたれに枕がついていて、使いはしなかったが心遣いも温かいものを感じた。

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南小谷駅に停車中のE353系「あずさ」(隣にはE127系

 何度でも言うが、E353は神である。

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 今中央東線には神がお走りになっているのだ。乗車するときは手持ちの号車・座席番号の確認*6と、二礼二拍手一礼をしなくてはならない。

 

 かなり迷ったけど現状ではこんなところだろうか。大事なところなので赤字で強調しつつ、これから未履修のエリアで素敵な車両に出会えるのが楽しみである。……「はやく連れていけ!」とばかりに提燈が視界を邪魔してくるので、2歳魚の希望を聞こう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:筆者の偏見にまみれた視点。

*2:常磐線龍ヶ崎市牛久駅間は長い直線区間なのをいいことに、普通列車ですら130キロでぶっ飛ばす区間として知られる。帰路のE531系も中々に暴走族だった。

*3:2月に対戦したときのスコア。8回にリリーフが5失点し、先発メッセンジャーの勝ちを消すという試合だった。ちなみに相手のヒット数は7本くらいだった気がする。

*4:https://www.youtube.com/watch?v=X6ZvnHEjAQg 「謎のちゃんねる」より「異なるJRの特急列車が共存する区間に行ってきた!!!」/2021年4月。

*5:特に283系やHOT7000のように、流線形にも起伏を持たせたデザインは正面・立体・真横のいずれからも上手く描けなかった。

*6:全車指定席である。