むしょくとうめいのらくがき

電車乗ってお酒飲んではしゃぐ3歳魚と25歳児 水曜日夜に更新 

【マロが行く】「味わう」のはむずかしい -2022.4.10 ほくほく線など

 しばらくやっていないので、乗り鉄をすることにした。

 

 

 

1.新津(10:35発)→直江津(12:01着)/特急しらゆき4号

 

ぽかぽかする、血がのぼる?

 弟・マスコロの機嫌がいよいよ悪いなんてレベルではなくなり始め、顔を見るなり「捕食するぞ」と言って噛みつかれる今日この頃。

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しらゆき4号 わりと人が乗っていました

「明日電車に」

「乗る」

 即答である。

 

 かくいう僕も乗り鉄を自称しているわりには、ここのところは新津ー新潟を通勤定期で往復するにとどまっている。純粋な回数・日数なら圧倒的に増えたけれど、何よりそこには相棒がいない。定期券まで買って一人だけ毎日電車に乗っていることは、理解しているとはいえ気分のいいものではなかったのではないか。

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たびのはじまり この町にも桜が咲き始めました

 そして何より僕自身そろそろ乗りたかった。 一番線にはアイボリーホワイトをまとった神が、いつも以上にかっこよく輝いて滑り込んできた。

 しらゆき4号、定刻通りに新津を発車である。まずは南を目指そう。

 春の陽気というに相応しく、信越線の沿線にもピンク色が輝き始めていた。歩道や公園の花壇にも彩りがある。

 ……だが問題がある。

「マロ、今日暑いね?」

「うん、暑いね」

 あまりに無機質な鸚鵡返し。だが、当然の反応であることは自覚している。今日の最高気温は25.2度になる*1というが、こちらを見る目は心なしか冷めている。

「なんで上着持ってきたの?」

 はい。

 旅行に出ると同伴者に怒られるのは、もはや鉄則なのだろうか。後ろの席でも親子連れが何やら喧嘩していて、さらにその後ろでは超薄着な外国人が喋っている。

 旅にイレギュラーとはつきものだと、早速洗礼を浴びたような気がした。

 

野山の花盛り、夏の空と海

 それにしてもこの土日は県内全域で良く晴れたようだ。既にOrangestarが似合いそうな空の下、今日は電車に揺られ越後路を進む。

 長岡発車後にはShu*Kuraと離合し、海もよく見えた。既に楽しい。

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Shu*Kuraとすれ違い 前川通過直後?

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海がよく見えるよ!

 1時間半ほどの乗車で、特急列車は直江津に到着。

 特に飲んだり食べたりはしなかった。推しの車両に最高の車窓と、呑み鉄が捗りそうなシチュエーションではあったが、午前中から飲むのはハードルが高いのだ。それでも、これ以上ないスタートを切ったといえる。

 

神々しい並び(しらゆき&雪月花)

 直江津到着後、何やら先頭にカメラマンが群がっている。

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㊧雪月花㊨しらゆき

「これは造形美ですねえ……」

 唯一神E653様と、えちごトキめき鉄道のリゾート列車「雪月花」様のお並び。

 なんと美しい、なんと尊い、なんとありがたいお姿であろう。おおお、真っ赤な車体の雪月花と、ブルーとアイボリーホワイトのE653系……おおお……

「かっこいい……」

 我々兄弟の語彙力が、あえなく失われた瞬間だった。

 

 

2.直江津(13:16発)→六日町(14:20着)/北越急行ほくほく線

 

そばと駅弁の誘惑

 直江津では1時間休憩する。

 すぐに乗り換えようと思えばできたのだが、船見公園で海を眺めていくことにした。駅近くには駅弁販売やそば屋もあって心惹かれる。

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海を見せました 直江津の船見公園で

 だが、僕だけかもしれないのだが、旅行中はどうもお腹が空くタイミングが微妙なのである。加えて、列車内で食べるのかお店で食べるのか、という問題もしばしば浮上する。結局、めぎす天そば*2も鮭めし*3もおあずけとし、僕らは駅に戻った。

 

HK100の爆走と、風景にリベンジ

 ホームには既にHK100形が入線している。

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ほくほく線HK100形

 一昨2020年に一人旅をしたとき、暗闇過ぎて何も見えなかったので、今日は相棒を連れてリベンジである。

 犀潟信越線と分岐*4し、大きくカーブしながら高架線に入っていくと、車窓は雄大な平野、その向こうにある雪化粧の残る山脈を映すのみとなった。遮るもののない、どこまでも広い空間のなか、HK100形がすいすいと飛ばしていく。

 やがていくつかのトンネルを抜けると、そこは雪国であった。

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まだ雪の残る地域もあります(これはどこだったかな)

 冗談抜きに、雪の壁が線路脇に立ち塞がっているので驚いてしまう。この日は晴れているので溶け始めているのだろうが、沿線の冬の厳しさを感じさせる光景であった。

 

ローカル線に乾杯!は難しい(日によっては混雑する&トイレがないことも)

 この日はたまたま「ゆめぞら」の車両に乗ることが出来て、トンネル内でも車内上部の映像を楽しむことができた。トンネルを抜ければ、豊かな大自然と、その中をひた走る(というか爆走する)高規格路線の迫力に酔いしれて、ほくほく線を満喫することができた。

 なんとも「ローカル線に乾杯!」なシチュエーション!……だが。

「……この満員だと、お酒は遠慮しちゃうね」

「ご飯もたべられないね」

 ううむ。

 めぐり合わせなので、これは仕方ない。 ……この車両にトイレが備わっていなかった*5ことを考慮すると、なおのこと飲み食いするわけにはいかなかった、と考えるべきだろうか。

 それにしても直江津駅は高田方面、糸魚川・泊方面ともにわりと混んでいたが、HK100形2両のワンマンカーも座席が全て埋まり、立ち客も出るほど盛況だった*6

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六日町に到着!

 車窓・車内ともにほくほく線はとても楽しかった。だが、六日町のホームに下りたって、一時間ぶりに吸った外の空気はびっくりするくらい美味しかった。

 

 

3.六日町(14:36発)→長岡(15:30着)/上越線

 

休憩

 六日町で再びJR線に乗り換える。

 15分の待ち時間は、切符の買い直しやトイレ休憩にはちょうどいい。というか、どんなに対面や平面乗り換えだ5分以内の接続だ、などと言われようと、乗り換え時間にはそのくらいの時間を見積もりたい。階段の上り下りなどがあればなおのことである。

 ここから長岡までは約1時間。わりと距離がある。ちょうどいい具合の日だまりと、これまたちょうどいい揺れ具合が、僕をどこかへ誘ってくる。特権というわけでもないが、これもまた電車旅なら可能になることだ。

 ……気付いたら終点・長岡に到着していた。向かいのホームには信越線を新潟へ下る列車が待機しており、これに乗り込めば即ち帰路である。

 

福島江

 だが僕は一度改札を出る。長岡の街を歩いたことは何気にあまりなく、かつ雑誌で取り上げられていて気になっていたスポットがあるのだ。

 東口を出てしばらく歩く。と、堀のような川に沿って続く小道があらわれ、並木が美しいのでしばらく進んでみることにした。

 すると、まばらだった並木が、駅のほうへ戻るにつれてその数を増していく。堀の両岸に続き、真っすぐに並んで咲く桜色と、昼下がりの空がなんとも穏やかさを醸し出している。

「平和だね」

 相棒に話しかける。

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長岡駅近くの「福島江」を散歩

「その割には人が多すぎるぞ」

 怒られた。

 

 

4.長岡(17:02発)→新津(17:57着)/信越本線

 

ただ純粋に、お腹が満たされていない

  福島江の桜は美しかった。だが、道路は細いけれども歩行者専用帯ではないので車通りは普通にあるし、人の数も多い。特段ベンチがあるわけでも無く、いずれにしてもあまり「立ち止まってゆっくり」という雰囲気ではない。彩と香りを楽しんだ我々は、他には何も食べたり飲んだりせずに、駅へと引き返した。

 だが問題がある。

「お腹空いてきた」

「今更か」

 鉄道旅をしながら、ついに酒も駅弁も食わず帰路に就こうとしている。あまり「味気ない」とかそういうことを気にするつもりはないのだけれど、シンプルに空腹、という意味で満たされていなかった。

 となればやることは一つ。

 ここは長岡駅、新幹線と接続している。

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長岡駅E2系をお見送り(確かとき334号)

「おやつのついでにE2系を見よう」

 新潟から各駅停車で東京へ上っていくE2系と、越後山脈を抜けてきた下りのE7系をお見送りしつつ、我々はホームでのんびり、おにぎりとシュークリームを食べた。速報で佐々木朗希の完全試合の報が流れてきたのにはびっくりしたが、それ以外にはゆっくりのんびりな昼下がりだったといえる。

 

味わうのはむずかしい

 我々は小腹を満たした後で、信越線の下り電車に乗り込んだ。E129の先頭車両が空いている。

 日が長くなったから、夕方五時でも前面展望はよく見えた。ここから先は、広大な田園地帯を直線が通るだけ、という線形が主となっている。線形がよくない、ということは決してないはずだが、E129系は直線でもスピードは80キロくらいにとどめて走っていた。茜色に染まる西の空に、すれ違う列車と、たまに手を振る沿線住民がよく見える。

 

 ここ新潟も、長かった冬は終わりを迎えようとしている。花は咲き、夕日も美しく見えるようになってきている。

 春の陽気、というに相応しい気候。そしてそんな陽気に誘われて、少し早い夏の海と、山間に残る雪と、花を咲かせた桜を見ることができたのは、いい一日だった。それを鉄道でめぐるのだから、なお幸福である。

 

 新津に到着。日曜夕方でも、新潟へ向かう乗客はたくさんいたようだった。

「久しぶりにいっぱい電車に乗れたね!たのしかった?」

 春の鉄道旅を満喫した感想を、マスコロに尋ねてみる。乗るのを今か、今かと楽しみにしていた小さな弟。きっと嬉しかっただろう。

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新津に到着 日が長くなりましたね

「飲み足りない。酒が飲みたい」

 はい。

 

 正直なところ僕も飲みたい。鉄道旅を「味わう」ということを、これから思い出していかなければならないと思った。

 

5.今回のメモリー

 

モリールート「直江津~新津(ほくほく線経由)」33駅

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直江津~新津(ほくほく線経由)」ぜひ挑戦してね

 是非チャレンジしてね。

 なお、ルートの説明書きにも記したのだが、殊に週末にチャレンジするのであれば「えちごツーデーパス」の利用を強く推奨する。

「えちごツーデーパス」を使えば、直江津~六日町~新津なら片道で元を取れる

 ツーデーの料金は2,740円。購入条件は「金・土・日・祝日の連続する二日間」であるから、例えば今回のように「日曜日で、翌日が月曜=平日」というケースでは購入できないことになる*7

 ところで、これの下位互換である「えちごワンデーパス」(1日限定ver. 料金1,570円)を使うと、ほくほく線信越線長岡~直江津間、上越線六日町~小千谷間は対象線区から外れるので注意。詳しい違いやルールについては、JR東日本のHP(下記リンク)を参照されたい。

www.jreast.co.jp

 だが、ツーデー(2日間版)を使ったところで、直江津からほくほく線経由で新津まで行くと片道で元を取れる。

 

 というわけで、今回の行程と料金を、今一度振り返ってみよう。

 合計:5450円

 このうち「新津→直江津信越本線)」の行程を除いても、直江津からほくほく線経由で新津まで行くと3,140円

 

 これも鉄道旅である(←?)。

 

 

*1:

新潟(新潟県)の過去の天気(実況天気・2022年04月10日) - 日本気象協会 tenki.jp

*2:駅前の「直江津庵」で食べられる。

*3:駅前の「ホテル ハイマート」1Fの駅弁売り場で買える。

*4:ほくほく線犀潟ー六日町の路線だが、ほとんどの列車は直江津犀潟間と、六日町ー越後湯沢間でJR線に乗り入れている。

*5:全車両ともトイレなしなのかは知らないが、いずれにしても駅で済ませておくのが無難だといえる。

*6:一昨2020年に乗車の折は、平日夕方だったこともあり地元の学生などで混んでいた記憶がある。

*7:そのことを知らずに出費をしました、なんて言えない。