この深夜に充電31%も使ったのか、記事執筆以外のページと……。
1.おやつと落書きときみ
いつも家族が寝静まった後、1階のリビングでPCを開くことが多い。特にキーボードを叩くときは、各々の寝室がある2階では何かと気を遣うし、そうでなくても自室ではなんだか集中できないのだ。冷蔵庫が近いと飲み物のおかわりもしやすい。
今宵はケロちゃんと飲むことにした。飲む、と言いながら今週分の落書きをしている。滑稽である。落書きといいながらまるで義務のようになっていて、まるで仕事をしているように見せかけて落書きをしている。かつてノートを取るふりをしてやっぱり落書きをしていた頃と中身が変わっていない。
それにしても、当時4歳?の僕が「カエルさんだから」と言って名付けたのは、少々安直だったかもしれない。ここに入力してみると、傍線が別なキャラクターを指してしまうのだ。ただ、おひめ(ヒメちゃん)と同じくプラスチックの黒い眼玉を付けて、にっこりと笑うのを見ていると、自然とそう呼んでしまう。
「ケロちゃん、呑みましょ?」
「良いけど夜更かしするなよ。昼からとはいえ仕事なんだろう」
そう言いながら付き合ってくれるんじゃん。可愛い。名前の再考なんかしてやらない。
成長なんかしたくない。でもいい加減、何か進展はしたいところだな。缶の開封音と、グラスに注がれる麦汁が弾ける音の爽快さが、僕の目指す幸福である。だが、おつまみと称して開けるのはじゃがりこ。時間帯と飲み物以外、20年前とそんなに変わっていない。
この時間そんなに何にもなってないけれど、まあ幸せならOKだ。眠れない夜、真の意味での「スキマ時間」が、ちょっとだけ彩られた気がしている。
2.マロが行く・ミニ ~信越本線(夜)~
ある日の夜、なんだか電車に乗りたくなったので、とりあえず駅に向かった。
暮れる地元をあえて抜け出して
この日は「夕食各自デー」。貴重な自由時間である。我が家の都合上、この夕方の時間帯はどうしても自由に使うことはできない。例えば19時に最寄り駅にやってくる電車を眺めることも、家の明かり以外は早々に寝静まったように落ち着く町を歩くのも、かえって新鮮に感じられるようになった。数年前は何とも思わなかったのにな。
だから、駅に行くだけじゃなくて改札をくぐったときの高揚感と背徳感は、なんとも言い難いものがあった。相棒・マスコロをそっちのけでいつも以上にはしゃぐ25歳児に、3歳魚が呆れる眼を向けている。
しばらく待って2番線にやってきたE129系に乗り込んだ。1時間くらい乗って、もういいや終点まで行こうぜ、って言って、先頭車両でシートに身をゆだねていた。気が付いたら長岡にいた。
夜の長岡駅はカラスのおうち
といっても特に用事もない。暇つぶしに新幹線を見に行くのがなんとなく恒例になっていて、この日もそうした。架線に群がるカラスの軍勢は、新津のそれより迫力があったと思われる。きみたちどこにそんなにいるの、と言いたくなるほどの、大群。でも新幹線が来るとわかるとカラスも賢くて、何羽かは逃げていく。そして律儀なことにホームを歩いたりはしないのだ。落とすものはだいたい線路上に落とす。それを見つめる魚が大口を開けている。
上下ともちょうどいい時間帯に列車がやってきた。どちらもE2系だった。もうすぐ古典になるぞ、と言われてもまったくピンとこないし、近所に安置されているE4系や200系だってなんだかまた走り出しそうである。だが表面をよく見ると、なるほど、歴戦の勇者だ。客として乗るだけではわからない疲労・劣化。貴方も苦労してきたのね。
「……頭いかれた?もう電車行ったから帰るよ」
はい。
お隣の北長岡まで、知らない街の夜散歩
ただ催促されて在来線改札へ戻ろうとしたら、1時間の間があった。 なおのこと怒られた。こういうとき何をするべきか、と考えて、考える間もなくgoogleを起動する。
検索結果のルートが表示され、気付いた時には歩き出していた。またしても噛みつかれたが、いいじゃないか、せっかくだし長岡探検しようぜ、ってことで説得した。
ルートは至ってシンプルで、大手口を出てすぐ「城内通り」という道を右手に進む。そのまま線路沿いにまっすぐ進むだけである。というか、ここで線路を渡ってしまうと北長岡駅の改札に辿り着くことができない。果たして約30分後、駅が見えてきた!と思ったら、なんと東側からは地下道も跨線橋もなく、渡った踏切を引き返す羽目になった。また怒られた。
アクシデントこそあったが、たまにやる夜散歩を、住んでいる町以外でやるのは楽しい。途中住宅街にもかかわらず、林に覆われたような家や、街頭で浮かび上がる墓地のシルエットが不気味で、おかげで涼を取れた。ぬいぐるみと一緒でも、手に抱いていて「景色を見ておいてね」「喉が乾いたら噛みつくんだよ」などと言っておけば、自分はイヤホンをして好きな音楽を聴くのも良い。
北長岡駅
北長岡駅は完全無人駅である。上越新幹線の高架がすぐ頭上にあるが、頭上過ぎて姿は見えない。
前述の通り、駅は西側の住宅街からしか入れないようになっている。東側は川と土手道になっている。駅舎自体はそこまで古くもないようで、Suica対応の自販機もある。なお完全無人だから簡易改札機があるのみで、それ以外は乗車駅証明書の発行が必要であるようだ。
トイレもあってこれも割と綺麗なのだが、「トイレットペーパーの設置は行っておりません」という文言が中々に衝撃的であった。緊急時に駆け込んでも拭くことはできないというのである。過去に何かあったのか、とも思ってみたが、ともあれここは各自持参のスタイルらしい。
なお駅舎からホームまでは階段の上り下りである。エレベーターやエスカレーターはない。
夜だが歩いた後なので、湿気も相まって微妙に暑い。不快指数はほぼMAXに近いが、中々できない知らない街の夜散歩のあとで飲む、ポンジュースのスパークリングが美味しかった。
「夜散歩楽しかったね!」
「楽しかったけど、本当に何しに来たの?」
「こういうのがいいんだよ」
なんて回答になってないんだろう!アハハ!
呑気に笑いながら乗り込んだ下り電車がこの後東三条で抑止を喰らい*1、家に着くころには日付が変わっていた……というオチがついて、少なくとも今年一番「訳が分からない」旅が終わった。
行程(定刻通り)&料金
・新津19:27発→長岡20:21着(860円※切符利用)
・長岡駅(入場券150円)→とき341号(20:40発)&とき348号(20:46発)
・北長岡22:08発→新津22:59着(860円)
つまり長岡ー北長岡を歩いても運賃の節約にはならないので注意。本当に何しに行ったんだよお前。
3.考え過ぎたら負け
豪雨の月曜日が過ぎたと思ったら、早々に梅雨明けが宣言された。火曜日は昼間33度に気温が上がり、新潟のまちをを灼熱が照らす。
空、川、向こうの山、近くの丘、田んぼに用水路など、色は異なるものを一概に「青い」と表現することも、その風景を見ていれば違和感をそんなに感じない。そりゃあ、シュレーゲルアオガエルだって別に青くはないのだから、細かいことはいいんじゃないだろうか。気にしたら負け、なんてことはよくある。
先日「新潟には何もないか、何でもあるか」みたいな議論をTwitter上で見て、思わずRTして私見も呟いた。それでは収まらなかったので、ここにも7300字くらい書いてしまった。後日載せるけれど本当に個人の感想ですってやつだから気にしないでほしい。ただその土地を「いいところ」で済ませてしまうのはなんだか嫌である。
気にしたら負け、だが最近は気になることもわりと多くて、よせばいいのにまたタイムラインを追いかけている。それで割とツイートもしてしまう。なんか友人に勢いでリプしたこともあった。絶対「どんだけ暇やねん」って思われたことだろうが、実際暇だったので否定できない。
だから夜更かしなんかするな、と注意されるのだ。夜は特に、どうでもいいことを考えすぎる。焦燥感と不安が脳と指を駆り立てて、その割に何にもならないのだ。寝るか、寝れぬなら呑むか、いっそのこと徘徊でもしてくるか。
いくら景色が青く光り輝いても、この季節昼間は暑すぎるのだ。散歩するのなら夜がちょうどいい。
思い付くままにキーボードを叩くのもたまにはやるべきだと思った。けど、もう残り10%で低電力モードである。コードが邪魔だから下には持ってこなかった。PCにも身をもって言われている。はやく充電するべきである。
*1:加茂~羽生田の信号機故障で、下り電車に30分~1時間近くの遅延や運転見合わせが発生した。