むしょくとうめいのらくがき

鉄道と酒と野球ではしゃぐ4歳魚と26歳児の気ままな放浪記とか落書き 

【マロが行く】休日、風流と呪縛 -2023.2.25 小千谷・長岡方面

 五連休の三日目、相棒とドライブに行くことにした。

 

 

 

 

1.南へ逃げるはずが……

 

 9:30に起きた。

 これでも頑張った方なのだが、スマートフォンのアプリには、1時間前に2分刻みで鳴ったアラームの残骸が「あれ、だって俺ら起こしたしお前止めたじゃん」みたいな表情でこちらを見ている。確かに止めたし、起きた。うるさいな!わかってるよ!っていう顔で、ドラムソロから始まる騒音のようなロック*1を止めたのだ。グライコ?の調子は最悪である。意味は結局分かっていない。

 枕元から早速、抗議の声が上がる。

「何寝てるの。今日は出かけるんでしょう、早く行くよ」

「僕はもう疲れたよ……」

「早くしないと本当にマチュピチュ遺跡のミシシッピ川サンディエゴ盛り合わせ税込み334円にしてオメデトウ、オメデトウにするよ」

 はい。?

 意味は分からないが、今月ずっと放置しているのでお怒りなことだけは分かった。

 

加茂・三条方面~三条燕ICから北陸道

 ということでガソリンを補充して、南へ向かう。仕事で東や北へ行く、となると、休日にその方角を嫌うのは、そこでどんなに上手くやっている・合っているとしても、致し方ないことではある。……と言いながら、自主トレをするのに職場の管理施設を借用したこともあったっけ。それはそれ、これはこれ、である。

 混雑する三条市街を抜け、高速道路へ上がる。プライベートで走るのは久しぶりのこと。風流を解さない者だから、ドライブは高速道路だし、乗り鉄なら特急列車や新幹線なのである。

 気持ちよく飛ばせるなあ、なんて思っていたら次から次へと追い抜かれる。あれえ、と思ってスピードメーターを見たら、80~90km/hあたりを前後していたから、なるほど致し方あるまい。

 乗ったばかりだが、次のサービスエリアですぐに休憩する。12時40分をまわったところであろうか。

 

PA(昼食)

北陸道・栄PAにて

 フードコートで鶏唐揚げ定食を注文する。ラーメン、たれかつ丼、もつ煮、ソフトクリームなど雑多なメニューが並ぶ食券の中で、気分で選んだだけなのだが……。

「唐揚げが肉厚!」

「味噌汁が高級料亭の味!」

 美味かった。よく耳にする「こういうのでいいんだよ、こういうので」という台詞があるが、食後の感想としてはそれの最上位クラスに該当する。それにしてもこの唐揚げ、本当に思ったより大きくて、アツアツで、一口咬んだら肉汁が噴出して……たまらなかった。高速サービスエリアのフードコートのナントカ定食、というだけでそれがシンプルな幸福を体現しているのはよく知っているけれど、それにしても美味かった。

 

関越道・山谷PA

 長めに休憩して、再び北陸道を南下していこう。今日は遠くへ走ると決めたのである。……いや、決めていないか。少なくとも長岡JCTは通り越すとして、どちらへ折れるのかは、知らない。それに何処へ行ったとて、それは逃避行ごっこに過ぎないと分かっているのだ。

 長岡JCTに差し掛かる。提燈の向きは、変わらない。アクセルを少し踏んで、

「場内進行、切換無し、関越道東京方面、本線出発進行!」

「電車でGO!にそんな口上ないよ」

 知ってる。でも僕には見えるのだ。青緑色に発光する2つのランp

「この車そんな性能無くない?*2ボケてると免許証唐揚げにして食べるよ」

 はい。

 懲りずに運転士ごっこを続け、2つ目の休憩所・山谷に到着する。たぶん40分以上「延着」しているのだが、それは天候のせいだろう。小千谷市に入り、視界には白く大きな粒が大量に降り注いでいた。

 

道の駅越後川口あぐりの里

道の駅越後川口あぐりの里) こちらは大雪

 インターを降りると雪国であった。確かに越後川口ICの直前には長めのトンネルがあるのだが、それを抜ける前から既に視界は白かった、と思い出す。

 少なくとも雪からは逃れることはできなかった。というより、これでは雪の方に我々から突っ込んでいったようである。

 

道の駅ちぢみの里おぢや

「道の駅ちぢみの里おぢや」にておやつをGET

 国道17号を今度は北へと戻っていく。小腹が空いたので、おやつにする。……ん?

【不在着信 XXX-XXXX-XXXX】

 風流!!!!!

 表記を隠したが、何をどう見ても登録した派遣会社だった。こちらからも逃れられなかったようだ。仕方ないので折り返してみたが、不在だったらしく、また後で連絡すると告げられる。……ん??

「ファッキンコールド&休日ドライブ中の仕事の長電話」

 おれに言われても。ぴえん。

 どら焼きはうまかった。

 

中越地方では路肩に雪壁が

分厚い雲の隙間に夕焼け 春はまだ遠い

 国道17号を北上し、長岡市へと戻る。進むにつれて、今度は雪が少なくなり、晴れ間も見えてきた。天気の急変というより、やはりこちらが突っ込んでいたようだ。逃避行とはいったいなんだったのだろう。

 

道の駅ながおか花火館

道の駅ながおか花火館

 またしても不在着信があったので、折り返す。今度こそつながった。

「3月の××(倉庫内の肉体労働)のシフトをね……」

 風流!!!!

 登録して半年が過ぎ、分かってきたことがある。こういう不在着信があると、その後にショートメッセージが残るか否かで、要件の当たり・外れは分かるのだ。数分おきに何件も着信だけがあるようなケースなら「今から来い」だし、そうでなければ適性無視の仕事紹介である。案の定、この前心を折られた肉体労働事案について、三月の勤務可否を聞いてきた。おれに言われても、ぴえん。

 

 空腹になったので、早めに晩御飯を食べていくことにした。県内の道の駅ではわりと新しめの施設らしいのだが、フードコートの規模が大きい。ラーメン屋、うどん屋、カレー屋、インド料理屋……などの複数の店舗が、飲食スペースを囲むように連なっている。まだ18時の少し手前だが、既にラーメンの気分だった。

「麺香房ぶしや」にて夕食

「濃厚で美味い!!」

 魚介系のスープに食欲を引き立てられるまま、麺を啜る。時刻や空腹度合いはこの際、不問だったかもしれない。この香り・湯気からの誘いは、拒むことはできないのだ。器が空になり、店を後にするころにようやく胃袋のパンクに気が付いたが、一滴の悔いなし、である。

 

 

 ……悔いなし?

おひめ「これ魚によく合いそう!」マスコロ「蛙の唐揚げにしてやる」

「我が冬の休日に数多の悔い在り、あまり風流無し」

 はい。

 

 御姫様へのお土産を兼ねて、ワインを買ってあげたらご機嫌になったので、まあいいか。ただ走るだけでも息抜きにはなるし、道の駅やSAでの休憩やグルメは良かった。でも、越後の雪解けと呪縛からの解放は、なおも切に願い続けている……。

 

 

 

2.おまけ(インスタも見てね)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:SUM41「rhythms」。

*2:メーターは140km/hまで。