十六番、雑食混沌の戯れ

16番という投手が戦うか放浪するか稚魚と戯れるか妄言を吐くだけ

【マロが行く】ただ信ぜよ、でも依存するなかれ -2025.2.16

 今年も謙信公に御挨拶してきた。

御挨拶

 

 

 

0.序

 

 昨2024年2月、同じく初詣として、米沢市上杉神社を訪れた。

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 上杉氏が会津を経て米沢に移封となったことで、謙信公の遺体も運び、同地に御祭神として祀っている……というのが経緯である。同地は直江兼続公や上杉景勝公、また江戸中期に藩政を立て直した上杉鷹山公の銅像もあるから、まあ、何となく一度は行っておきたかったのだ。

 ちなみに2月に初詣という行事を実行していることの説明は、まあ「だって僕だから」という一文で、事足りる気がする。尤も場所と天候・道路状況ということは考慮に入れるとしても、他地域までわざわざ出かけていくことについては、まあなんだ、ある種の所信表明ということにしておきたい。年々、この僕基準では比較的”遠出”以上とする外出を渋ったり、理由を求めるようになってきてしまったのも、本当はよくないなあ、と思っている。

 

 

1.新津→直江津

 

 本当はよくないので、

マスコロ「旅に行くぞ」

「いい加減旅に出るぞ鉄オタ自称してるだけの引きこもり寝坊野郎」

 はい。

 というわけで(なんとか8時50分に起きて)新津駅から旅を始めよう。

 

新津駅

 ……ん?

しらゆき4号は上沼垂色!

「エッモ……」

 視界に姿を現した特急列車が、どうも異彩を放っていた。が、決してそこに違和感はない。むしろ、僕にとっては在りし日の日常……ではなかったが、確実に日常の中にいた非日常だったからである。

「エッモ……」(二回目)

「乗り遅れるから早くして?」

 はい。

 語彙力とポケットティッシュを忘れて、特急券(を買い忘れたまま入場するやらかしを一度はしたものの)とツーデーパスと飲み物はしっかりと持って、僕の休日が始まった。

 

平野/眩しい白

 しらゆき4号は南へ走り出す。ひたちチャイムを聞いて、これは僕とマスコロの唯一神・E653だと理解した。どちらでも幸福には違いない。

雪原が輝く

 この日はよく晴れていた。2月とは思えない、快晴。そもそも新潟に住んでいると、冬場は雲に覆われているのがデフォルトだという認識だから、降っていなければ、何なら多少降っていたとしても「晴れ」と称したくなる。

 極端すぎると思われるかもしれないが、少なくとも今日のような青空の下、雪に覆われた田園を日光が照らす風景は、なかなかお目にかかれない。……となると、いったいあの、所々では壁と称されるべき雪の塊は、どのように溶けているのだろう?去年も、その前も、春になれば雪は溶け、桜が咲き、田には水が張られ、緑が芽吹いた。なのに、長すぎる冬のせいでそういう、極端に下向きな思考になってしまう。そんな折に、何の前触れもなく、春の隣かのような光が差し込み、田園や連峰が輝きを放つ。

「眩しい」

 サングラスがほしい、と冬に思うとは。少々、痛いくらいに美しい白だった。

 

海岸線/青のとなり

 柏崎を過ぎる。ここからの車窓の為に、きっちりと右側の座席を確保している。あるyoutuberが「かっこいい」と称した、荒ぶる海を拝……。

海岸線(すいません動画のスクショです)

「夏???」

 姿を現したのは、圧倒的な「青」だった。もう少し、グレーとか黒とか、荒波を想像していたのに。

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去年1月に見たような「ここに近づいてはならぬ」と岸に訴えるかのような姿とは大違いである。もっとも降りてみれば流石に泳いだり、海風を感じるには早いのだろうが、車窓に映る限りの海は、どちらかといえば夏の装いに見えた。

 青い、アツい季節はすぐそこにあるのだろうか。それを乞うているからこその、幻か。幻のままであったなら、それもいい。これが一時的であるにせよ、旅とはささやかな逃避行でありたいのだ。やれ来週から寒波だの、知るか。十年に一度の寒波が、なんで二週連続で来るんだ。知るか知るか。

 

 

2.直江津/昼飯

 

昼飯/駅弁

 というわけで、

直江津到着

 定刻通り、正午ちょっと過ぎに直江津に到着。

 お腹が空いたので、文字通りお昼にする。といっても普通の休日なら朝飯である、というのはさておき(さておくな起きろ)、最近随分と燃費が悪い。真冬に暖房をガンガンに焚いて雪道を進む、走行距離10万8千キロ超にしてオイル交換時にエレメントの破棄を忘れた軽自動車のようである。この日は9時に朝飯を食べ、車内でも長時間の乗車だからとおやつを食べたが、それでもダメだった。

 

 直江津で飯、というと、

僕「共ぐi」マスコロ「何か言った???」

 ホテルハイマートの駅弁である。他、そば屋とか寿司屋とか、無印なんかもあるのだが、無印の食堂に行こうとしたら見つけられずに右往左往し、直江津庵はなんか混んでいて諦めて、こうなった……というのが正直なところではある。

 ただ、それはそうと駅弁はうまい。おじさんに「鮭か鱈なんですが……」と申し訳なさそうに言われてもそれが美味く、「値段が上がっちゃって……」なんて言われても相応、いやそれ以上の価値があるというものだ。今日は「鱈めし」を選択した。

 

ホーム/彩

 駅に戻り、列車待ちのホームで食べる。

長いホームがその証だ

 約35分といったところだが、食事と列車見物をしていればあっという間だ。

 特急・急行街道の要衝として彩を放っていたのは昔のこと。だが、この日の直江津も、

妙高はねうまライン日本海ひすいラインほくほく線(とJR信越線)が乗り入れ

 実に彩豊かである。異なる形式の車両が集うのも、県内じゃ直江津くらいなものだろうか?運が良ければ雪月花とか、415/455系にも出くわすわけである。……何やらカメラマンが、長いホームを春日山寄り=出入口と反対へ歩いていく。追ってみると、

East-iD

 検測のお時間をやっていた。 僕にとってはわりとしょっちゅう見る顔なのだが、やはり見かけると追ってしまうもの。ちなみに今日はもう2度East-iDに遭遇するのだが、それは今年使う幸運をもう三つも消費してしまったことを意味するのだ、と考えてしまう。そういう思考だから余計にツキが逃げていくのだ、と早く気付くべきである。

 

 

3.春日山/歩き、登り、参拝

 

 ET127系―妙高はねうまラインに乗り込み、お隣の春日山へ。わずか1駅だが、地味に距離があるので賢明な選択だと言える。おまけに、目的地はさらに徒歩40分くらいかかるのだ。

 徒歩40分と言っても、音楽を聴きながら行けば8曲くらいである。【散歩】のプレイリストに入れている曲は、厳選した結果23曲くらいになったので、フルで流したら2時間半くらいになるようだ。 

 

最近散歩中に聴いている音楽 8選

  1. Happy Happy Party -Poppin'Party
     散歩というよりは運動としての「ウォーキング」のテンションを上げてくれそうな曲な気がする。それこそウォーキングラリーで2・3曲目とかに聞いたら、足取りも軽くなりそうだ。
  2. セツナイロ -情報処理部
     同じくウォーキングラリーの味方(私見)がランクイン。試合前に聴きたい曲も、どちらかというとこのくらいの、明るさはあるんだけども、速すぎないテンポで来てくれた方が、気持ちが昂りつつ集中モードへと入っていきやすい気がする。それはそうと、ゆゆ式はいいぞ。
  3. Under the sand -VELTPUNCH
     大学の軽音部の影響で知ったベルパンがランクイン(この曲ではなかったが)。午後3~4時くらいで「今日何にもしてねえけど散歩位するか」のノリで、傾き始めた太陽に気怠い顔を向けながら歩きだすのに良い、と思う。「won't be there」の後の(たぶん)ギターが好きだ。
  4. Let’s Go! -佐藤直紀
     オイシックスのホームゲームで2表か3表に流れるBGM
    。美しい一日のはじまり、という演出に良い気がする。
  5. Replay -LONGMAN
     こちらも「何もせずに終わりそうな休日」の味方がランクイン。歌い出しがそうなので仕方ないが、逆を言えばそんな、虚無感の中で迎える休日の夕方だって、好きになれる気がする。……もっともこの文は、休日の夕方で何もできないまま打っているわけで、歩き始めるのは多分来月の話になりそうだ。
  6. We can go -鬼束ちひろ
     同じく、虚無な休日の夕方の味方。それも「めちゃくちゃ天気がよく行楽日和なのに、起きたら午後1時半でした」みたいなシチュエーションで聴きたい。同じ散歩でも「昼」「夕方」「夜」「冬」と、それぞれ違うテイストでプレイリストを作っているのだが、よく考えると散歩をするのは大抵夕方であった。それはそうと、確か中3でiPod touchを持っていた頃に知ったのだが、経緯は謎である。なんでもファンの間でも「シングル未収録ながら人気が高い」一曲なんだとか。
  7. Look of Life -fhána
     メイドラゴンや天体のメソッドハルチカ等でおなじみのファナがランクイン。試合前プレイリストにも何曲か入れていて、ここ数年でお気に入りのアーティストになったが、ユニット名の正しい読み方を知ったのはつい数日前。すみませんでした。
  8. Hot Meal -MARINa & VISUAL ARTS/Key
     ちょうど日没で、街灯が灯り始めるタイミングで聴きたい一曲。"Another Thousand Enemies"という別名が示す通り、岩沢が未完のままユイに残していった一曲なのだろう。これやCrow song、Alchemyはアコースティックバージョンがあるので、散歩のときにはそちらを聴くのがいい。それはそうと、華やいだ夕飯にあこがれて、空腹のまま叫び続けるような岩沢の人生を、のうのうと散歩しながら聴いてよいものか……とたまに問い、明日から本気を出そう、と思うのである。

 

 とりあえず昼用だけ。

music.apple.com

 なんか散歩におすすめの楽曲あったら教えてください。

 折角軽音サークルOB且つそのつながりで現野球チームにいるので、こういう試みは勝手にやっていく次第である。これを見ると「ロックンロール」性はあまりないのがお分かりいただけるだろう。チーム紹介文には「ロックンロールを愛してやまない」「フォーク・ポップ・メロコアも可」とされているが、6年目を迎えようとする今季はまだ「不可」になっていない。そういうことなのであまり構えずに、入団希望、是非お待ちしております。

 

春日山神社/初詣

 というわけで、

ここである

 今年の初詣は上越春日山神社。

豪雪を物語る

 上越も快晴だった。とはいえ、道中は冬の過酷さを物語るような、山・壁になっていた。

謙信公も見下ろしただろうか

 謙信公像の視線の先には、越後平野と、県境にそびえる山脈。恵みや癒しをもたらすが、時には牙を剥く自然や気候。それに耐え忍び、郷に生きる民衆。外敵や内紛にも屈せず、義と愛に生きた名将。

 そんな謙信公に対してなので、だろうか。祈念したいことはあっても、それは神頼みするんじゃなく、自分で叶えるべきなのだと思った。

「元日に激混みの神社に初詣をする」という行事があまり好きでなかったのは、こういう理由でもある。小学生の時なんかは、何をお願いしたのか?と親に問われ、答えることはできなかった。とりあえず「レギュラーになる」「大会で優勝する」などと回答すると、決まってこう返ってくる。

「勉強は?」

 なら聞くなよ。それこそお願いでも、叶えたいことでもないのだ。

 

 去年は後から「一勝祈願」というタイトルをつけたが、それは自ら掴むべきものであると分かっていた。故に今年も、特に「○○できますように」なんていうものは、ない。自分のチームのこと、オイシックスのこと、阪神のこと、生活や仕事、健康―悩みも願いも尽きない。それが人間だが、謙信公の教えではない。

 義と、愛。

 御神籤は「小吉」だった。何事も控えめに。焦れば焦るほど苦しみ、騒げば騒ぐほど損をする。高望みをし過ぎず、今できることを忠実にやっていく。それだけである。

 

 

4.帰路(オチ)

 

 御神籤の教え通り、欲張らずにさっさと帰ろうと思った。春日山で1時間くらい電車待ちをする計算だったので、逆方面に乗って時間を潰したら、

高田まであえて逆方面に乗車

 ちょうど127のスカ色に当たってラッキーだった。127自体、久しぶりに乗ったので、ノスタルジーを感じる。こう、オールロングシートなんだけど、前面・後面展望に喜ぶ感じが。

 

 直江津で海を見ようかとも思ったが、まだ海風を浴びるには寒すぎたので、

柿崎か笠島か米山

 車内から楽しむ。普通列車ならいちいち駅に停まるので、停車中に海を眺められるし、乗車時間が長くなると必然的に寝れるのだ。寝れなければ地獄だが、この日は眠かった。もう電車内でいつまでも起きていられる、少年時代の僕ではない。

やっぱり車中で呑む酒はうまい

 呑んで爆睡して、長岡まで来た。列車は長岡が終点だった。

 

 次の列車が特急だったので、必然的に課金することになった。定刻通り、直江津を1時間後に出てきたE653系がホームにやってくる。今度はいつもの、アイボリーホワイトと青・赤のカラーで、これまた好きな色……

 

「くぁwせdrftgyふじこlp;@:「」748596+」

「!?」

しらゆきに乗ろうとしたら……

 撮ったのと、「何か」が右肩付近にかかったのと、どちらが先だったろうか。頭上から何かが降って来た感覚があった。

 足下やホーム、頭上の黒い影、長岡駅の2番ホーム。

 これだけで全てを察する。そもそも何で長岡に集るのか。あまりガラガラ声で必死で鳴いたりはしていない。そしてたぶんだが、お腹はいっぱいなんじゃないだろうか。むしろ食べ過ぎて余ったから、落としたはずである。

 

 幸い一部分を掠めただけで、マスコロをはじめ被害は最小限で済んだ。一応、念入りすぎるくらいにはウェットティッシュで汚れを除去したつもりなので、大丈夫だろう……と思いたい。

 かつては登校時に頭上とランドセルにモロに落とされたこともあったなあ、と思い出す。覚えている限り、生涯3度目の「襲撃」に、不安と落胆が入り混じる。

新津に到着

 新津に到着した。隣のホームには、長岡で颯爽と抜かれていったEast-iDが停車中。今日だけで三度目の遭遇である。

 これは「幸運」なのか。確かに生きていれば「不運」もあるが、確率で言ったら423万分の1らしい*1。まあ良くも悪くも「ツイてる」のかもしれないが、そんな幸運ならいらない。

 

 相棒にかからなかったか、と聞くと「そんなことより飯だ」と言う。今年も相変わらず空腹で御立腹なことだが、それなら頼みたいことがある。今年ももう何度も「捕食するぞ」と連呼しては、容赦なく噛みついて来ている。

 そんなに腹が減って仕方ないなら、

East-iDと今日三度目の邂逅

「あのカラスを喰ってきてくれないか?」

「他力を当てにするな」

 はい。

 

 そういう教えだと思っておきます。

 

5.おまけ

 

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行程

 

料金

  • えちごツーデーパス 2800円
  • 自由席特急券 新津→直江津 1860円
  • 自由席特急券 長岡→新津 760円
  • お弁当 1600円
  • その他(お賽銭・御神籤、おやつなど) 幾許か円