十六番、雑食混沌の戯れ

16番という投手が戦うか放浪するか稚魚と戯れるか妄言を吐くだけ

虎の子よ、あがれ、のぼれ(後編) -2025.10.16 北陸観光

 今日はサンダーバードに乗ることにした。

683系 サンダーバード -敦賀駅

 

0.序

 

tomo16change-up.hatenablog.jp

 というわけで10/16(木)早朝。我々は、翌朝大阪・なんばにあるキャビン型ホテルの一室で目を覚ました。

 ……どちらかというと宿へ向かう道中、電車の混雑や乗り換えのミス、また降りた後に荷物を預けたロッカーを探して迷子になり、さらに宿を探して迷子になったので、こちらの方が消耗したかもしれない。寝床に辿り着き、その日を終えるまでが戦いである。あと宿は極力近くに取るべきである。

 ちなみにアラームをかけずに寝落ちしてしまい、何とか電車には間に合ったものの、慌てていたおかげで忘れ物をした。そもそも起きれる時間に電車も設定しろよという話である。

 

 

 

 

 

1.大阪~敦賀~富山/湖西線北陸本線北陸新幹線

 

 というわけで、帰る。

 もっともこの距離なので、帰るといっても長旅ではある。先述の通り、家に帰るまでが戦いであり野球であり遠征。それに、往路は夜行バスだったから、日中の風景といい、鉄道からの車窓といい、大いに発見があることだろう。駅メモも当然はかどりそうで、楽しみである。

 何しろ、

乗ります -大阪駅

 かねてから乗りたかった列車に、初めて乗車するのだ。

 

大阪(9:12発)→敦賀(10:35着)/特急サンダーバード11号 

 僕が幼少期に鑑賞した図鑑で、しばしば表紙を飾っていた電車。教育ビデオ的なものでも大きく取り上げられていた。「大阪と北陸を結ぶ、すごく速い特急列車」のイメージが定着するのに、時間はかからなかった。何より、

エンブレムが誇らしい

 この「サンダーバード」という名前が良い。

 英語(正確かどうかは知らない)になっただけなのに、速そうだし、新時代的でスマートな感じがある。車体の白に窓枠の黒、(今回は当たらなかったが)流線型が誇らしげで、いかにも特急であることを示していると思った。誇り高い国鉄色をまとう485系雷鳥」の、歴史と伝統との対比も浪漫がある。もっとも、保育園時代の僕に刺さったのは「スーパー雷鳥」の金沢方の先頭車と、あのカラーリング。どっかで復刻しねえかな。

 683系は定刻通り、大阪駅11番ホームを走り出す。大阪・関西とまたしばしの別れ。

敦賀を目指します(北陸まではギリ届かない)

 高層ビル群の中を歩き出す車窓に、北陸浪漫のチャイムが流れる。実にエモい。贅沢感と、旅の高揚感を同時に味わうことができる。これから行くのが「家路」であることは忘れている。未知との邂逅もさながら、この列車そのものを味わうことができる喜び。

 新大阪を出ると、

このスピードである

 早速かっ飛ばし始める。

 東淀川、吹田、岸辺……と、懐かしい駅名を通過していく。あの頃は主に夜の列車*1に乗務していてね、若かったからね、150kmとか出しちゃって。標識もいっぱい見落としたけど、楽しかったなあ。もう20年も前の話になるかねえ。……つくづく思う。こいつが本物の電車のマスコンを握る日が来なくてよかった。大体「若かった」じゃなくて「幼かった」、いや「今でも幼い」の間違いである。

 ということで永遠の幼児と虎児を乗せた列車は、京都に到着。今回は通過したのみだったが、ちょうど京都に通勤している友人から連絡が来て、いずれまた「戦い以外で」訪問したいと思った。そういう街ばかりである。というより最近思う。いい加減、「ただの旅」をするべきである。今年はお陰様で遠征にも何度か行くことができたが、その殆ど(というより泊りがけのものは全て)が野球絡み。おかげで折角新幹線に乗れるのに、頭の中は不安と焦燥でいっぱいで、高速で流れる魚沼~湯沢付近の山々や、快晴の関東平野が何も入ってこないこともあった。そもそも野球でもそこまで感じるなよという話であり、鉄オタとしてはあまりに勿体ないことをしている。

 京都を出ると湖西線に入る。正確に言うとこの次の山科が起点駅だが、この列車は山科から近江塩津まで、線内の駅を全て通過する。単に線形がよく、ショートカットになるのでこちらを経由しているのだろう。

 幸い、この日は雲行きこそ怪しかったが「比良おろし」は吹かなかったので、高規格線を爆走する683系を楽しむことが出来た。それに、

琵琶湖が見えてきた

 ゲーム内では気付かなかったが、湖がしっかり見える。わざわざ「湖の西」と路線名を付けるくらいだから、見えないと逆に「湖どこ?」となってしまうだろう。ところで、逆にゲーム内にあったはずのデッドセクションに気付かなかったが、調べてみると永原ー近江塩津に交直セクションがあったが、現在は工事を経て全線が直流電化されているようだ*2

 琵琶湖に見惚れている間も、ほぼ減速することなくサンダーバードは高架線をかっ飛ばしていく。「はくたか」のほくほく線同様、この路線も高架やトンネル等立体構造となっていて、踏切はない(ソースはwiki)。

湖のそばを爆走

 車両の性能上「本領」とはいかないが、それでも130kmで爆走する車窓にこの湖が流れていくと、まあ、エモい。「速くてかっこいい特急」と「美しく豊かな自然の風景」の共存である。北陸まで到達していないのに、もう既に浪漫が溢れていると思った。約13時間前まであの戦闘の渦中にいて、約1時間前に大都会を出てきたという事実が、嘘のようである。

 1つ失敗したことがある。

この車窓で呑めそうだ

「酒呑みてえ」

 もう戦いは(終わっていないが)終わったので、呑んでも差し支えない行程だった。なのにどうも謎の倫理観らしいものが働いて、千載一遇のチャンスを逃してしまう。もっともこの明朝だし(異論は認める)、アルコールよりカフェインを欲する気持ちもあった。

 微妙に暑かったからアイスコーヒーにした。相変わらずブラックでは飲めないが、ともあれ車内で飲むと美味い。しかしもう1つ失敗したことがある。

「駅弁買えばよかった」

 自称・乗り鉄として、まして折角特急列車に(それも始発から終点まで)乗るのに、あまりに勿体ないミスであった。テンポよく2アウトを取って、2ストライクと追い込んでから出すフォアボールくらい、勿体ないミスである。

 例えば、時間帯的に微妙だったので乗る前に店で食べた、とかならわかる。ところが車内で食おうと思って出したのは、普通に前の晩に用意した、コンビニのサンドイッチとおにぎり。

 ……いや、これが美味い。パンやおにぎりも好きだが、コンビニのサンドイッチとなると、例えば早朝から出かけて移動の休憩時に食べるか、こういう遠征時に食べるか、という風に、結構シチュエーションは限られるようになった。で、だいたいは「ハムたまご」か「サラダミックス」的なもの。これを列車内で食べるから、なお美味いのだ。

山が迫って来た

北陸本線と合流 敦賀はもうすぐ

 だが、この後の行程を考慮しても、「車内で食事をする」というタイミングはここしかなかった。そして僕は列車内どころか、駅弁すらあまり食べなくなってしまった。これではもはや「何鉄」も名乗れないレベルなので、喜びを取り戻すべくオフは鍛え直そうと思う。

 北陸本線と合流し、、車窓は深い山間の風景になった。新疋田を通過し、上り線と立体交差するあの……あれをあれしたら(←は?)、終点・敦賀はもうすぐだ。北陸浪漫が流れる。

 だがこの電車はここが終点である。

終点・敦賀に到着 ここから新幹線に乗り換え

敦賀駅 地上ホームは現在は普通列車が使用

 特急列車用と思しき、綺麗なホームに滑り込んだら、無情にもここで降ろされる。”北陸本線”が今は北陸に入ったところで終わり、ここからは新幹線に乗り換え。コンコースに上がると、普通列車用の長い地上ホームが見えた。かつて雷鳥しらさぎ寝台特急や急行が多く行き交い、何なら通過していたであろう”特急街道”の名残である。

 ところで、寒い。大阪で早々に邪魔になった上着をカバンから出した。天気のせいもあるのだろうが、やはり気候の違いはあるのではないかと思った。

 

敦賀(10:58発)→富山(12:21着)/北陸新幹線はくたか562号

 というわけで、

E7系に乗る

 新幹線に乗る。敦賀延伸後は初めて北陸新幹線への乗車。もっとも車両はすっかり見慣れたE7系……と言いたいところだが、そういえば新幹線に見慣れるほどの暮らしをしていなかった。それにしても、

サンダーバードからはくたかへ乗り換え

 この「サンダーバード」から「はくたか」へ乗り換えるのがなんだかエモい。どうせならスノーラビット色にしてくれたらと妄想するが、まあ妄想のままだろう。

 はくたか敦賀を発車。地味に生涯初の福井県だったが、今回は通過する。「経県値」マップで久しぶりに*3色のついた都道府県を増やすことができた。

分厚い雲が覆う

 それにしても雲が黒い。全国的に今日は雨模様らしい。甲子園も試合はできるのか、順延になったら困る*4、どう予定を工面しようか、と気が気でなかったファンも多いようだ。ほぼ気絶していたのでうろ覚えだが、金沢に近づくにつれて雨脚が強まっていったような気がする。

 敦賀を出た時点ではそうでもなかったが、福井・金沢からは多くの客が乗ってきた。僕(A席=3列がけの窓側)の隣はB・C席ともに埋まった。何なら満席じゃないかと見受けられたが、ともあれ観光・ビジネス共に需要が高いことが伺える。一時言われていた「日本離れ」的なのっていったい何だったんだろう。あと巨大すぎて人ひとり格納してるんちゃうかと思うほどパンパンなスーツケース、あれ何とかならんのかい。

高速移動中

 正直できた当初は「特急たくさん走ってるのにわざわざ要るか?」と思ったが、いざ乗ってみるとそれなりに新幹線の恩恵はあるのだろうと思った。やはり新幹線は速い。それに、これから厳しい冬が待っているから、真価を発揮するのはそのときだろう。

 ということで、列車は富山に定刻通り到着した。

 

 

2.富山(昼食&観光?)

 

富山駅

 富山は何度か金沢へ行った時に通過しているが、降り立つのは初めてのことである。そういえば「富山市」はおろか「富山県」を見渡しても一度しかないかもしれない。乗り換えポイントでもなければ、車でもSA等に立ち寄った記憶もない。隣県でありながら、こと「新潟市」からは距離があることもあって、御縁はこれまでなかった。もっとも、そのまた隣の石川・金沢には計4度訪れているので、言い訳にはあまりならない。

 しかし敦賀でも感じたが、やはり寒い。往路で夜行バスに乗った瞬間から「ミスった」と思ったが、やはり秋仕様で正解だったようだ。

 

 とりあえず空腹なので、昼食のとれる店を探す。 富山と聞いて思い浮かぶのは、

富山駅近くの「ガッツリ!えびすこ」さんで月見ブラック

 ブラックラーメンである。……それに至るまでにかなり右往左往した、とは言えない。

 かなりうまかった。途中でお湯を足したが、今考えるとしなくてもよかった。ただ完飲はできなかった。あれもどうなのだろう、通なら飲み干してしまうのか、それが作法なのだろうか。ともあれ、普通に好みなのでまた食べたいと思う。のぼるのことも可愛がってもらい嬉しかった。

 

 ところで富山には、

これである

 路面電車が走っている。近未来的でシャープ(?)なデザインのものから風雪に耐えてきたベテランの佇まいのものまで、色々な顔がある。

 近距離で乗ってみた。鉄道でありながら、路線バスと同じように「ピンポーン、次、止まります」なんて言うのが新鮮だった。いつもの鉄道にも、かと言ってバスにもない新鮮さを楽しんでいたら、降りる停留所をスルーしてしまった。

 

 富山城が近くにあるので、見に行ってみた。

富山城

藩主?の像と庭園

 流石に悪天候且つ寒すぎたのが誤算だったが、おかげで歩数はかなり稼ぐことができた。昨日は右往左往を重ねた結果、1日で32000歩を越えたので、ウォークラリー(※前回の脚注参照)では職場内で6位くらいに浮上した。今日もこの富山城に辿り着くまでに迷子になったり、駅構内でコインロッカーを探して迷子になったり、昼飯を探して迷子になったりしている。おかげで歩数は稼げたが、健康増進には……まあ、役に立っていないだろう。

 というわけで約3時間半の空き時間をほぼ右往左往に費やして、帰路に就くことにした。

 

 

3.富山~上越妙高~新津/北陸新幹線妙高はねうまライン信越本線

 

富山(16:31発)→上越妙高(17:11着)/北陸新幹線 はくたか

 再び新幹線に乗り、上越妙高へ向かう。

 お土産や帰路用の燃料(酒)も買ったので、準備は万端である。名残惜しいが、帰るまでが遠征だ。指定席は見た感じ、空いている。あとは乗り換えが1回あるので寝過ごしにだけ注意し、快適に寛g……。

はくたかに乗る

「おれの席の隣だけ埋まってる」

 人生はままならない。というより、まあ起こり得ることである。ちょうど前後がA・B・Cとも空いている中で、先客としても「ホワーイ?」と言いたくなったかもしれないが、こちらとしてもシートマップを見た感じ誰もいない(←いなかったはず)座席を押さえたつもりだったので、致し方あるまい。おそらくはこの先、長野以東が混雑するのだろう。

夕暮れの日本海沿いを走る(糸魚川付近)

 冷静に考えると、機転を利かせて移動すればよかった気がするが、ともあれ40~50分の乗車で列車は新潟・上越妙高に到着した。

 

上越妙高(17:23発)~新津(19:25?着)/特急しらゆき5号 

 ついに新潟に入ってしまった。

 旅の終わり、休日の終わりが見えてきて、絶望感が漂う瞬間だが、

上越妙高駅 しらゆきに乗り換え

乾杯!(かなりうまかった)

 楽しみはとってある。

 653の車内で頂くビールは安定に美味かった。香る幸せのエールが身体中に広がる。

駅メモが捗った

 途中大雨の影響で抑止を喰らったが、列車は15分程度遅れて新津に到着した。

 

 飲酒を躊躇ったり駅弁を食べ損ねた場面があったのと、富山観光にはリベンジの余地がある。腹八分目程度、というのは旅でも丁度良い目安なのかもしれない。それに、どちらにしたって甲子園・関西にはまた行かなくてはならない。

 この日も16000歩を稼いだので、ウォークラリーは社内5位に浮上した。念願だったサンダーバードも乗り、関西地区の電車にも乗った。神戸の中華街と、富山のブラックラーメン(と甲子園の近本カルビ丼)はうまかった。駅メモはかなり捗り、多数赤新駅の獲得にも成功した。

 

 名残惜しいが、しかし楽しい旅だった。

新津に到着 楽しかった

 何より虎が勝っtt

 ……

 ……………

空腹御立腹凶暴魚(後日の機嫌取り中)

「虎だけで行く遠征は楽しかった??????????????????????????????」

 いやせやかてお前あれやんかなあはっきり言うておおおおおんんnnガブリ

 

 言い訳の前に、噛み千切られる音がした。

 

 

 

 

 

4.おまけ

 

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参考資料(おすすめ動画)

 直通列車であった急行「きたぐに」や特急・寝台列車が廃止になってしまったのは残念だが、現在の北陸ルートでも(動画は金沢乗り換えだが)乗り換えは2回または3回で済む。


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 ちなみに筆者は「北越」には3回しか乗ったことが無く、「きたぐに」に関してはゼロ。列車の廃止もそうだが、阪神・鉄道のどちらからも遠ざかっていた小学後半~高校前半の記憶を、つくづく恨めしいと思う。

 

お詫び(前号加筆修正について)

 前回公開した記事ですが、一部加筆ならびに構成の変更、またそれに伴ってURL・タイトルの変更を行いました。お読みいただいた方、ならびに星を付けてくださった方、大変申し訳ございません。

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 例の如く長文となってしまいましたが、御贔屓頂けましたら幸いです。何卒宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:681系「サンダーバード49号」だったかな。上り線に比べると新大阪~京都間は分岐器・曲線の制限が多く、よく引っかかっていた。ちなみに確か、京都を出ると次は敦賀まで停車しない便だったと記憶している。

*2:2006年秋に完了。なお現在は敦賀~南今庄間(ハピラインふくい)に移設。→北陸本線・湖西線輸送改善(直流化)計画の概要|滋賀県ホームページ

*3:その前となると、記憶では2020年11月の栃木県(通過)まで遡る。ちなみに今こんな感じ→ 経県値(都道府県版)

*4:クライマックスシリーズでは、雨天で試合が順延になった場合、チケットの取り扱いが特殊なため。例えばこの日=第2戦が中止になった場合、翌17日の試合が「第2戦」となり、日付ではなく「第2戦」と書かれたチケットが有効となり、払い戻しはない。