むしょくとうめいのらくがき

鉄道と酒と野球ではしゃぐ4歳魚と26歳児の気ままな放浪記とか落書き 

どっちかというとドアの向こう側じゃなくてその流線形と乗務員さんに手を振りたい

 お彼岸なので午前中、墓参りに連れ出された。

 

 

 正直「知るか」という感じなのだが、まあ断る理由もないので致し方あるまい。薄情な孫でごめんよ、と祖父の墓前で機械的に手を合わせつつも、内心では当日いきなりの連れ出しに憤慨し、また例の如く僕のもとへ浮気しにやってくる花粉どもにも憤慨していた。*1残念なことに合意がないので訴えれば勝ちそうなのだが、それとも花粉側にも言い分があるんだろうか。どのみち「知るか」という感じだが、クラリチンのおかげで今年は多少、症状がマシな気がする。

 

 彼岸……ということは、そういえばもう改正後のダイヤで鉄道が走っているではないか。まあ気が付いたら時刻表は変わり、センバツも始まった。プロ野球のオープン戦もそろそろ大詰めである。ここ数年低迷しているオリックスもオープン戦では絶好調だし、何か贔屓球団が突如としてダイナマイト打線&投手王国となって異常な強さを発揮しているので、今年のやきうも面白くなりそうだなあ!なんてワクワクしている。*2

 ついやきうにはアツくなってしまうので、この辺でやめよう。

 

 ダイヤ改正だっけか。

 

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2021.3.19 新潟駅新幹線ホームにて

 駅の張り紙に書いてあった通り、E7系が増えた。うれしいことである。

 

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E4系はこの秋で見納めとなる -2021.3.19 新潟駅新幹線ホームにて

 代わりになくなる列車がある事実からは、やはり逃れられない。既に往復の本数は片手で数えられる程度になっていた(はず。違ったら訂正してクレメンス)。ホームへ帰ってきた先頭の号車番号が「16」と、最大で繋げる車両数を示していても、この列車は9号車で途切れている。東京を16両編成で出発したとして、1~8号車はもう新潟へは入ってこない。

 

 と言っても、僕はむしろ「Maxとき○○○号 二階建て16両編成」という表記に、未だに新鮮さを覚える人間である。というのも、大学生になって山梨に住み、1年の8月に1度目の帰省をするときにようやく「16編成 新潟行き」を目にしたからだ。

 何なら、その7~8年前=僕が小4のときに家族で金沢へ旅行して、経由した越後湯沢でE4系同士が連結して留置されているのを目にしたときは「なんでここにいるの?」*3という感じを受けた。あの時は「まあとき&たにがわが連結したのかな」くらいにしか思っていなかったが、果たして16両で新潟に来るようになったのはいつからだったかな。忘れてしまった。

 

 僕のなかで「Max」からの車窓というのは、見晴らしのいい二階席……ではなく「ガードが高速で流れていく一階席」である。ただ、どうにかして車窓を観たがったか、あるいは「これはこれで」と思ったのか知らないけれど、幼少期の僕は飽きもせず流れるガードと対向車線の線路、たまにすれ違う列車の車体下部を眺めていた。

 それでも大学生になって最初の帰省をするとき、たまたま希望の時間帯にMaxがあったから、迷わず二階席を所望した。そんなものである。数えるほどしか乗ったことはないが、ガードに全く隠れない車窓を眺めるのは楽しかった。どんどん車窓が流れていくのに、その時間は実にゆったりと、でもやっぱり「ゆっくり」ではないから、あっという間に過ぎる。新幹線は不思議な乗り物だ。

 

 乗ったのは数えるほど……と言った。大学時代の実家帰省や今のチーム合流などで関東へ出ることは何度もあったが、その直近5年間でMaxに乗ったのは、記憶に残っている中では3度だけだ。先述の大学生になって最初の帰省の折、荷物棚にキャリーケースが入らなくて悲しい思いをした。以来、確実にキャリーケースを乗せられるE2系の、決まってE席(対向車線があるほうの窓側)に乗っている。数年後にはE2系の一部にコンセントがついたり、さらに全席コンセント完備のE7系が導入されたので、結局は僕も快適なほうを選ぶようになった。一階建てであれば、下の階を引いて車窓が見えない、という心配もそもそもしなくていいのだから。

 ああE4、そしてE1よ。快適さを選んで離れていった我を恨まないでおくれ。これでもMaxという響きはすごく好きだったし、E1系なんかはかっこよくてとても好きだった。どうかいずれ訪れるその時まで、E4にも元気に走りぬいてくれることを願っている。

 

 

 当ブログもそこそこな記事数になったので、いまさら「何故お前はそもそも新幹線ホームにいたのか」というツッコミもないだろう。

 

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少なくとも新潟駅の入場券は保育園ぶりである -2021.3.5

 いや、別にしてくれてかまわない。みかげちゃんと同じで、用事のあとの散歩みたいなやつなのだ。*4乗るわけでもなければ、そもそも見送ったり出迎えたりするわけでもない。改札の中のめちゃくちゃ美味しいお店が目当てだったわけでもない。

 ただ新幹線ホームにいきたかった。正確には、万代シティ付近で用事を済ませた後で急に思い立った。新幹線でも観てくるか。—やっぱり散歩のノリである。

 

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駅コンコース内Newdaysで購入した駅弁。-2021.3.5

 ……美味しい店目当てではない、というのは一部訂正しようか。

 売られている美味しいお弁当には確かに用がある。

 

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こちらは別日に食べた「たれカツ弁当」 -2021.3.19

 いや~美味しい。

 ここに語彙力はそもそもいらない。いらないだろう。駅弁と言うのは別に冷めていても美味しい。何でもっと冷えそうな駅のホームで食べているのかは疑問だが、ともあれ食べていて幸せになれる。駅弁がなかったり気乗りしないときは、パンやおにぎりでもスイーツでもいい。高校時代は昼休みに食べ損ねたお弁当を、帰宅途中のホームでよく食べていた。

 

 幼少期、祖父が新潟駅付近で用事を済ませるのに僕を連れ出すことがあって、よく入場券を買って新幹線を観に連れて行ってくれた。写真を撮るのも覚えていないような頃だったのに、飽きもせず200系やE1系を見ていた。まだE2系は「はやて」の認識で、なぜ盛岡へ行く車両がここに?なんて、子ども心に思いながら、それでも東京へ向けて走り出していく列車に手を振ったりしていた。ああいうとき手を振り返してくれる車掌さんやサービスホーンを鳴らしてくれる運転士さんには、本気で憧れたものだ。

 

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ずっと見ていられるし、見ていたい -2021.3.5

 今でもホームで長時間待つのは退屈しない。改札に入ってしまったほうが意外と何でもあったりするものだし、ホームに自販機とベンチさえあればあとは座って電車を眺めているだけで、勝手に時間は過ぎる。ついでに言うとジョージアの「贅沢ミルクのカフェラッテ」のペットボトルは改札内では大体手に入る。僕の基準で申し訳ないが、ホットカフェラテとお茶、いちごミルク、夏場は濃い目のカルピスが置いてあって、さらにsuicaで決済ができる自販機は大変優れていると思う。

 

 あれから少しは大人になったから、自動券売機で一番高い料金が示す駅のことも、多少はわかるようになった。嘘である。確かに東京駅には何度も行ったけど、いつ行ったって迷う自信がある。そして、それより少し安い行先―燕三条浦佐、熊谷に関しては下車したことは一度もない。上毛高原本庄早稲田に至ってはほぼ毎回通過する。

 そして一番安い切符はすぐに改札に突っ込まれ、ようやく財布にしまわれる。僕もBUMPは好きだからよく聞いていたが、この時間で大切な人を見送ったり、出迎えたりするわけにはいかない。かといって、どこかの誰かはあの列車で「車輪の唄」を聴きながら静かに旅立っていくのだと想像もする。

 

 いや、やっぱりホームのはずれで一人駅弁を食べる楽しみがほしいので、僕のすぐ後ろでセンチメンタルなお別れとかしないでほしい。でも遭遇したらそっとどきます。もう、そういう時期だものね。

 

 

 

 

 

*1:おまけに墓地の隣には雑木林があって、どう見てもスギがいっぱい生えている。そんな場所に出向くのはやっぱりドМなんだろうかと思ってしまう。

*2:しかし阪神ドラ1・佐藤輝明を大学時代はどうやって抑えていたのか、当時の関西地区の大学生にはぜひとも話を聞きたい。

*3:もっとも運輸する側がわざわざ湯沢を経由した僕らに対して言いたい台詞だろうけれど、この時は特急「北越」の一部区間が被災していたため致し方ない。ほくほく線を飛ばしまくる「はくたか」、よかったなあ……

*4:永山ゆうのん『初恋*れ~るとりっぷ』1巻より。宮沢まひろの妹・みかげの初登場シーンだが、みかげ本人は鉄道好きだということを隠すべく「散歩コース」という嘘を用いている。