春が来た。

0.序
雪が解けた。分厚い鉛色だか灰色だかに覆われていた風景が、生き返ったように色彩を取り戻す。
我ながらとてつもなく、冬という季節を憎んでいる書き方である。まあ、雪さえ降らず、天気さえよかったら良い。たまに晴れた日に、白く染まった田畑に光が乱反射する光景や、冠雪した連峰とかは、素直に美しいと思う。好んで冷え切った地に、今年も白鳥がやってきて、暖かくなったと思ったら去って行った。
長い冬が終わった。と言っても、春が待ち遠しかったか、と言われれば、そうでもない。来てほしくなかったわけでは勿論ない。だが、この「春が来た」というのは、単に花が咲いた、暖かくなった、という以外の意味合いを多分に含んでいて、実になんというか、ほら……あれである。どれが何なんだろう、と思いながら、とりあえず思いつくままにキーボードを打ってみる。
1.しごと
一部でお知らせしているが、色々あって社内異動した。この立場でそんなものがあるのか、という点だが、まあ結果的にそういうことになった、というだけの話である。異動、とだけ書くと、なんだかそれっぽくて(←?)かっこいいなと思うのだが、そのような感想になるという点で、だいたいを察してもらいたい。
記念品を贈呈されたり、挨拶の場を設けてもらったりと、かなりしっかりめに送別をしてもらえて、なんだか恐れ多かった。立場・年齢・その他諸々と壁を感じたり、形容しがたい虚無感を募らせたこともあったけど、ちゃんと見ていてもらえたんだなあ、と思う。
最終日のラスト1時間で作業ミスをやらかして、切り替える間もなく次の現場での仕事が始まり、早速3日目にして物を壊した。同じ会社なのに見る景色が180度違う。大切にしていることもおそらくかなり違う。違いは感じるが、どこにいようとできること・すべきことを全うする、それしかできないと思う。
2.やきう(やる)
春といえば、

「やきうの時間だああああああああああああああああああああ」
「ツイ廃やきう民うるさいよ」
はい。
今季も余裕があったわけでは断じてない。しかし、喜びが勝った。こうして興奮してツイートしてしまうくらい純粋に、僕はこの時間を渇望していた。
やはり、僕には野球が必要だ。理由は単純で、どうしようもなく好きだから。それ以上にはない。
多分だが、切っても切れない、というのは間違いで、実際には僕が望んでも何かの拍子に切れてしまうことがある。スケジュール、コンディション、お金、チーム……等、色々なものが整わないと、まず概念そのものが成立しない。そんな尊い環境のど真ん中で、今年も現役として、しかも二年連続となる開幕マウンドを任せてもらった。

確かにここは戦場で、地獄なのかもしれない。だが、それらを味わえなかった日々の方が、よほど僕にとっては地獄ではなかったか。そう思ったら、折角の野球の時間を絶望しながら過ごすことが、いかに勿体ないことかと思える。
……ということで開幕戦に臨んだが、生涯初となるデッドボール*1を与えてしまったのを皮切りに、早々に炎上しKO。ファウルになりそうな小フライを飛び込んで捕ったこと*2くらいしか見所が無いまま、3回途中で降板を命じられた。2回と0/3を60球投げ、8失点。当然の如く敗戦投手となった。
「大惨事」というに相応しい内容。だが、現役を続けることを選ぶ以上、これを糧にして、練習して、次に備えるしかない。それでも好きなのか、それでもやりたいのか。答えがYESである限り、また鍛え磨いていく所存である。
3.やきう(みる)-4.5 オイシックス新潟 対 千葉ロッテ(ハードオフ新潟)
僕にはやきうの時間が必要だ。それは、

「やきうの時間だああああああああああああああああああああああああ」
「ツイ廃やきう民うるさいし今季出遅れてるよ」
はい。
しかし「みる」方も同様、僕には欠かせない。
こちらも、何なら「やる」方より、やれ戦場だ混沌だ地獄だ、などと言っては狂っている気がする。自分がプレーするならまだしも、スタンドで、あるいはテレビや配信を見ているだけなのに、やる側であるかのように戦い、消耗し、時には怒り、嘆き、悲しみ、絶望する。だがやめられない、それが野球ファンだ―というのは、全くその通りだと思っている。
故に、この野球場に乗り込むには「逃れられない」という覚悟が必要だ、と書いたのが去年の話だったかな。ただ、去年のような観戦数*3は今年は期待できないし、おそらくテレビや配信等のリアタイもなかなかできないと思われる。完全にゼロ、になってしまったらかなり悲しいが、先の日曜に機会が巡ってきた。
オイシックスはこのオフ、渡邊諒や松山竜平、アダム・ウォーカーなどが加わったものの、一方ではドラフト指名を受けた3名の他にも退団・引退が多く、さらに開幕後は負傷者も出た。相手はまた藤岡や中村奨、安田、角中なんかを出してくるから、何しに来てんだよと言いたくなった。そんな中で爪痕を残すというのが大事な中で、先発・今井が好投。打線は園部の三塁打・大川の犠飛ですぐに逆転すると、小西が適時打を含む2安打。相手失策にもつけこんだ。

現地観戦時11試合連続無失点となった西村*4をはじめ、救援陣が無失点リレー。今季初現地は4対1と、白星で飾ることが出来た。
順位的には4/6の時点で東地区5位(4位ロッテと1.5差)*5と、苦しいスタートにはなっている。が、先述のように、苦境の中で、あるいは強大な存在を相手に、いかにして姿勢を示せるか。離脱者がいる中で、チャンスが巡って来た選手もいるだろう。そういう姿も楽しみに観たい。
それはそうと、野球場は楽しいし、やきうの時間はたまらなく良い。何が、と言われても困るのだが、飯は美味いし、あれはああいう感じ(?)なので、言うことは何もないのだ。
一方では非常に色々と消耗もする。勝ち負けはつくし、采配ガー、誰それのプレーガー、審判ガー、運営ガー、周りのファンガー、という。やはりどう足掻いても地獄なようである。ゆえに、そこに飛び込む覚悟も必要なのかもしれないが、やりながらいかに自衛するか、いかに上手く距離をはかって、いかに上手く楽しむか、ということも大事なんだろう。
今年はこの巡って来た1試合が、より貴重なものになる。ゆえに存分に、だが適度に、できることだけやろうと思う。
4.そのほか
他は、

充電切れを回復しようとマックに入ったはいいが、コンセントはおろか座席に屋根がなかったり、


新幹線に乗ったり、

駅弁がうまかったり、

阪神はまああれもそれもなくあれな感じ*6だったりして、

まあとりあえずは生きている。
桜が咲いた。春が来た。
暖かく、美しく、生命の芽吹きや門出・出会いの幸福・祝福を思わせる。
しかし実際には、環境が変わり、何かに追われ、気温も気候も安定しない。絶えず外敵が飛んでいて、鼻炎薬が規定量では足りないような気がしてしまう。加えて、自分の人生に1ミリも関係なくとも、勝手に戦って消耗してしまう、地獄のような戦場が幕を開ける。
そんな感じなので、とりあえず「生きのびる」。大前提なようで、つい忘れがちである。戦うことも大事だが、適度にサボり、飲み食いし、放浪しながら、また一日を過ごしていこうと思う。
おまけ(インスタ)
*1:投手になって7年目・助っ人を含めても11登板目で初。ちなみに2回2死から2個目の死球を与えてしまい、失点に繋がってしまった。なお与四球はこの試合を含め26。
*2:下記インスタの3枚目を参照。見所…といっても、軟式特有の打球回転により、見送ってもファウルになりそうな打球だった。2死走者無しだったこと、所属チームや試合の性質を考慮すれば、無理をする意味がわからない。故障の危険もあるので、守備位置を問わずできれば真似して欲しくないプレーである。
*3:オイシ28試合、阪神4試合。
*4:2025年3月23日・日本ハム戦から継続中。
*5:今季よりリーグ再編により、1リーグ3地区(東・中・西)制を導入。オイシックスは東地区に編入された。
*6:開幕戦は讀賣のルーキー・竹丸に歴史的白星を献上するも、何だかんだ開幕から3カード連続勝ち越し。