スマートフォンを少し大きくしたくらいのデジタル画面でカク、カクと覚束無い動きをする僕に体温を告げられて、一日は始まる。
勤務先の話である。非接触型のデジタル検温器というのはしかし、マスクの有無迄厳しく検知してくれるので優れている……と思ったら、機械の命令でマスクを外したり付けたりもするはずがないのだった。賛否はあろうが、僕はこれを人の賢さと呼んでいる。
付けてこようが付けずにこようが僕の知ったことではない。僕が業務中な以上ありとあらゆることは「知るか」で片付く。しかしながら一つ苦言を呈したい。折角マスクをつけてきて機械のチェックをクリアしても、窓口で受け付けを始めるや否やマスクをペロリとめくり、隠していた口元を露わにしてくれる客がいる。苦言というより「理解ができない」と言ったほうが正しかろう。なんの意味があるのだろうか。
ところで僕が検温を受けると、パート先でも用事先でも温泉でもことごとく「36.0～36.5」だと言われる。これでも中学～大学の期間じゃずっと低体温だと思ってきたので、35.9以下を中々表示しない検温器の品質を実は疑っていたりする。まあ、あれはあくまでも「表面」温度であり、ググってみたら外の気温やら何やらで簡単に左右されるとかなんとか書いてあった気がする。実際、酷暑の最中に涼を求めてやってきたプール利用者や、冬場の暖房ガンガンな事務所に数分いた後の自分の体温を測定してみたりすると、結果を告げる画面が真っ赤に染まっている。そういう時は慌てずに「しばらく風に当たって冷ましてみましょう」とか案内して、再試行してもらうと機械もご機嫌に戻る。
「ひょうめんおんど、せいじょう。ひょうめんおんど、せいじょう」
あたかも精密に働いております、みたいな声。画面の奥にも何故かドヤ顔が見える。
狂ったり酔ったりしているつもりはない。しかし、昨日*1の勤務では昼休憩時に（単に空腹すぎて）暴食、退勤し帰宅後にはムカついて暴食した。酒×カップ油そばを深夜0時に流し込むのは中々に背徳感がある。こういう食生活はむしろ好きだ。お酒も、油そばも美味しかったので、好きだ。それなのに、好きなのに、なぜだかめちゃくちゃ悲しい。
特定の事象・発言・行動が原因で「悲しい」「ムカつく」「引き千切りたい」と思っても、大体は感想だけがいつまでも尾を引いて、その根本がなんだったのかを忘れてしまう。その点では、先日は明確なものがあった。
ここ数日の荒天で、施設にも一部損傷がみられた。それを業者が修繕するまでの間、取り合えず吹き飛んだりすることのないよう、紐を用いて補強する必要があった。ところがいかんせん暴風雨なので、屋外で梯子を使おうにも安定しない。おまけに、どこをどう補強してよいか見当もつかない。ところが、補強の仕方的なものは既に僕に説明されていることになっているという。あれれ、そんな記憶はないぞ。しかし説明を受けたのならやっていれば思い出すはず、という謎理論を振りかざし「ここかな？」と勝手に思った箇所を補強（？）し、事の顛末をスタッフで共有した。次は、その事実と共に送った画像に対し言われた一言である。
「よくわからないけど、多分意味ない……」
こちらの落ち度なことは否定しない。文字通り意味はなく、意味のないことのために長時間事務所から出ていたからである。むしろこれで「間違い」と言われなくてよかった。やろうがやるまいが、それが問題にはならなかったのだから一安心である。何とも回りくどい褒め方をするものだ。
この話は以上である。こう書くにとどめておけば僕の「逆ギレ」で片を付けられるのでちょうどいい。退勤するときに検温器の前を通過して、何故かまた「ひょうめんおんど、せいじょう」と言われた。
狂ったり酔っているつもりはない。今はお酒を飲んでいない。正確にはめちゃくちゃ飲みたい。冷蔵庫にはまだ「風味爽快ニシテ」が一缶残っていて、お菓子だって少し残っている。飲みたい。飲みたい、飲みたくてたまらない……。空腹というには値しない具合だが、口に入れたら受け付けるのではないか？と思ってしまう。
狂っているつもりはない。しかし「表面温度正常」でも、内側を含め全体的には異常と言いたい。正確には「正常」という言葉が適すようには思えない。まともな精神状態とは程遠いけれど、ちょうど一年前のそれ（お察しください）とは内訳が全然違うし、この約三年間でまともだった覚えがないので多分大丈夫だ。そう、文字通り「意味はない」のである。
前にも書いたけれど、勤務をすれば13時間でも8時間でも5時間でも関係なく、僕の中でその日は意味を失う。……こう書いてもやはり、仕事によってムカついて、悲しくなったりしてしまう。脳を浸食してきて邪魔なので、はやくジルサデスビーム撃ちたい。これは僕の正義なのでセーフだろう。したがって別称を付けられるなら「○○怪獣」や「△△宇宙人」ではなく「スペースリセッター」でないといけない。FE3*2のストーリーモードで死ぬほどウザいだけで、僕はグローカービショップが大好きだ。早くグローカーマザーから変形したい。そしてクロスパーフェクションを受けて倒されたい。*3
悲しくなってきた。今のは意図して狂わせた。もっとも正気を保って生きるには、僕に24年は少々長すぎたと思う。
もっともより満たされる何か*4を得られれば話は別である。
ちょうどその「意味ないです」案件が発生した日は13時間拘束により殆ど意味を失くしたように見えたが、その日誕生日を迎えた友人と、久々にやりとりをして楽しかった。
かくいう僕も明後日が誕生日なので、何か自分への「自棄○○」の類ではないプレゼントを企画しようと思っている。ただ今はハッピーバースデーは一旦延期して、PCやグローブで「My new gear……」と言うための資金にしたい気持ちもある。つくづく愚かなもので、今日も叶えたい欲望のリストに加筆がなされた。これははてさて現在40位の「とっとと消えていなくなりたい」の、上か下か。まあ、順位は実のところ大して関係はないのだが。
*1:これを執筆しはじめたのが4/19の21時。日付をまたいでもとりあえず僕が「就寝」と定義して眠りにつくまでが今日である。ややこしいなこの問題。
*2:『ウルトラマン Fighting Evolution 3』（2007年 バンダイナムコエンターテインメント）。
*3:『ウルトラマンコスモスvsウルトラマンジャスティス THE FINAL BATTLE』（2003年）より。
*4:勿論阪神が勝利したり、何かおいしいものを食べたり、こうしてブログを書いてもある程度の満足はある。したがって別に仕事は関係ないのかもしれない
