「TQS(虎クオリティースタート)は6回1失点以内10奪三振以上&1打点以上!」
※長いので【2】から読むの推奨(10900字くらいになってもた)
1.阪神って弱くね?
時は遡り、2017年。
その4月、シラユキコジローは20歳を迎えた。祝成人。一年前に進学を機に山梨へと移り、一人暮らしを始め、鍵を紛失したり洗剤をぶちまけたりして、授業は週1の体育だけが楽しみで、講義は睡眠とゲームに消え、部活は……まあ色々あって、でも半分保護者みたいな友達に恵まれて、何だかんだ楽しく過ごしながら一年をやりくりした。そんな大学も2年生になり、自主休講や寝坊を繰り返し、部活動では自分より上手い後輩が続々と入部し、運営ではチョンボを繰り返し、バイトでもやらかし、英語は喋れず、中国語は落単。何がどう成ったっていうんだ。
一つ言えるなら、ある真理に気付いた……かもしれない。
なんとなく気付く(ギリギリ認めたくない)
「阪神って弱くね?」
気づくのが遅すぎるようだ。
少年のプロ野球離れ(?)
小6のあの日、エコスタで芸術的なショートゴロゲッツーを目の当たりにして以来、一度も阪神戦の球場には行っていない*1。それどころか、しばらくは中継やテレビすら追う機会も減り、ギリギリジョージ・マッケンジー城島やマートンを獲得したり、ブラゼルがラミレスとホームランキングを争ったり、レフトが聖域ではなくなった金本の記録が途切れたのを知っていたくらいで、実はプロ野球に関する情報すら満足に得ていなかったのだ。
弁明しておくと、あの日エコスタで負けたからといって「二度と応援せんわこんなク〇球団」といって応援しなくなったわけではない。そもそも「二度と応援せんわ」は「明日も応援する」という意味である。
プロ野球を観なくなったのは、単に体力と気力が許さなかったからだ。あの日以降もプロ野球の新潟開催そのものは巨人やDeNAなどもあったし、阪神も何試合か来た。2010年にはオールスター第2戦も開催されて、あの時はライトスタンドで観戦していた。今考えるとよくぞチケットが取れたものである。だが、当然本拠地ではないので、年間に何試合も来るわけではない。それに、テレビ中継をしていても、テレビに向かって試合を追う気力や、気絶してしまってもあとでハイライトを見返す気力は、中学時代の僕には残っていなかったのだ。
虎の未来は明るい(毎オフ~春キャンプ恒例)
しかし高校生となって、自身が「やる」方のやきう=「野球部」という概念を半分取り上げられる形で失ってから、残ったものといえばやっぱり「みる」方のやきうだった。ほんで何を、どこをみるのかといったら、もう1チームしかない。例えBS日テレの巨人戦しか中継がやっていなくても、スマートフォンを手に入れたからアプリで速報が観れるのだ。お気に入りチームは当然、
「阪神今日も0点で草」
何でお気に入りチームにしようと思ったんだろう。しかしもう逃れられない。引くならシーズンを終えるタイミングなのだが、
「なんか2位になった!」
これでも6チーム中2位、いちおうAクラス入りを果たし、CSにも進出して、
「新守護神候補獲得調査!」*4
なんていう見出しが出る。まあ今年は残念だったけど来年行けんじゃね?って感じを出してくる。
教室も戦場
ついでに言うと、
「ぶっちぎりリーグ優勝~!!ビ~バ~ジャイアンツ~美しき~男たちよ~~~~!!」
「●魂込めて~大■で~球は飛ぶ~飛ぶ~ドー■の▲で~」
「悔~しかったら♪勝ってみろ(^^♪悔~しかったら♪勝ってみろ(^^♪」*5
教室も戦場だったからである。兎以外には燕、星のファンもいて、僕=虎キチというイメージもできあがってしまったので、後に引けなくなったのだ。
虎の未来は明るい(本当に明るいような気がする)
もっとついでに言うと、
「うおおおCSファイナル4連勝!!」*6
「Vやでタイガース!」*7
「超変革!!高山横田の1・2番!!金本監督就任!!」*8
などと、「まあやっぱり阪神は阪神なんだけど来年か再来年あたりは行けんじゃね?」みたいな空気を出してくる。毎年それなのやめろよ。でもきっと来年は。
来年は。
来年こそは。
……。
確信する(もう認めるしかない)
「やっぱり阪神って弱くね」
だいぶ前振りが長くなってしまったが、真実にたどり着いた。
何がそうかって、特に2014年頃から顕著だったのは、
「打てなさすぎじゃね?」
特に2015年、主力打者のゴメス・マートンがこぞって不振。打線もあの併殺打から中心選手と成長を遂げた鳥谷を3番から1番にしてみたりと、なかなか機能しない。期待できるのは移籍2年目の後半から生き返った福留くらいだった、と記憶している。翌2016年は金本監督のもと、貧打解消や主力の若返りに乗り出したが、すぐに成果が出るはずもなく、何ならゴメスは前年以上に不振、鳥谷も不振。そればかりか、
「守れなさすぎじゃね?」
守備難にも陥った。内野ゴロがヒットになってはしょうがない。
かつてのバックスクリーン三連発や平成のダイナマイト打線はどこへやら、打つ方に期待が持てない。そればかりか、打ち取っても守れない。何なら「タ・リーグ」*9とか呼んでしまいたい気分だが、たまに起こす9点差逆転*10みたいなミラクルとか、もっと酷い*11チームのおかげでギリギリ期待が持てる。
2.目を覚ませ!(三塁側のチームお前たちもだ)
というわけでかなり前振りが長くなってしまったが、
「やきうの時間だああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
気迫の投手(?)戦、気合の三塁スタンド(??)
YBSよりも神宮のほうが行きやすい?
ツイ廃やきう民うるさいなあ。ちなみにツッコミをする相棒はまだいないが、前年にやきう絡みのツイートをしていたら、あんまりリアルでは喋ったことない同学科の同級生にブロックされたのはまた別の話である。
下宿のある山梨にプロ野球が来るわけではない*12*13が、下宿のある町は神宮・東京ドームにわりと気軽に行ける土地にあった。試合時間が長引かなければナイトゲームでも日帰りできるレベルだったし、ネットカフェもある。
気合の黄金と成長の虎キチ
というわけで、人生初の神宮球場。当然、三塁スタンドである。この日は野球好きの友人(関西出身)に同行してもらったのだが、
「金っ、髪っ!?」*14
へへへ、と友人は笑っていた。
普段は黒の短髪な彼が、見事に鮮やかな黄金のヤンキーになっている。この日のために気合を入れてくれたのだろうか。方や、面倒だからと今まで一度も毛染めをしてこなかった自分が情けない。……まあ、黄色だけでなく黒もいちおう阪神っぽいカラーってことで、どうか許していただきたい。
この日の先発ピッチャーは、阪神がランディ・メッセンジャー。ヤクルトは小川泰弘。両エース同士の投げ合いに、好ゲームが期待できる。
何よりこちらは、もう応援歌は歌えるのだ。完璧に、とは行かないが、もう「西岡の応援歌が分からなくて絶句」なんてことはない。
嵐を呼べ~輝く男~気迫の一打打て西岡~!!
おーーーー西岡!!!
おおーーーーーツヨシ!!
猛虎の嵐よ今こそーー吹き荒れろーーー!
ほえろー孝介ー!勝負を決めろーーー!
さあ行く~ぞ~勝利へ~進めー進めーー進めーーー!
見せーーろ高山熱きーー猛虎魂ーーー!!!
……。
案の定である
「打てねえwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
後のハイライトで「やや球数が多くなっている小川」という実況を聞いたからたぶん走者は出したんだろうけど、阪神は1・2回と当然の如く無得点。打てないわね、打てない。打てませんじゃダメ、もっと工夫しろ。それか冗談抜きに、野球は走者を残して遊ぶゲームか何かだと勘違いしているのではないか?そしてライアン小川、何で一時クローザーなんぞやっていた*15のか。実に勿体ない。
ちなみにさっきの応援歌云々は全部心の声である。よくよく考えたら、内野席は歌わないのだ。それでもメガホンを叩くリズムで一体感があるから、席ガチャの観点から言えば当たりである。
それはさておき、試合である。この日の阪神スタメンは、
突っ込みどころはないわけでもないが、どう考えても凄い選手なはずなのに、いざ試合が始まってラインナップになった瞬間になんか打てなそうになるの、本当に何故なんだ。
驚異の火ヤク庫
その根拠としては、半分くらい相手チームにあったような気がする。対するヤクルトには、
- 1番に元構成員のオリックスの坂口智隆
- 2番は一般男性の俊足の上田剛史
- 3番はあのウラディミール・バレンティン
- 4番はあの山田哲人
- リベロ、荒木、西浦など一発のある打者
- 捕手の中村悠平も勝負強いバッティングが持ち味
……なんか個々として凄いのはもちろんだが、バレンティンと山田哲人が並んでいるだけで、スケールが違う気がする。ベンチのどこかには川端慎吾や畠山和洋、雄平、大松尚逸も控えているのだ*16。打率がどうのこうの、前年比がどうのこうの……と言われても、そもそも虎キチ的には、
「何年も連続で20本打てるんだから文句言うなよ」
と言いたい。こちとら、生え抜きの20ホーマーが長らくいない*17んだぞ!!
3回表;ここにいたわ、バースの再来が
というわけで0対0のまま、3回を迎える。
流石はエース・メッセ。超強力打線を相手にしているはずなのに、安心感が半端ではない。初回、2番・上田剛史にセーフティーバントを決められて出塁を許すも、バレンティン、山田を連続三振。2回は三者凡退に斬って取る。
とにかく、援護である。昨日まさかのノウミサンでボロ負けを喫した*18阪神、今日はスカッと勝って、いい形で週を締めくくりたいところ。3回表、先頭打者は9番のメッセンジャー。
レッツゴーランディ!\オオオーーー/
レッツゴーランディ!\オオオーーー/
……。
ランディを援護しろランディ
「一番打ちそうなんですが」
シンプルにデカいので、ちゃんとスイングすればスタンドインできるパワーは持っているだろう。投手の本塁打が珍しいのは、単に打撃練習なんぞやらないし、出塁なんかしてしまっては困るからバットを振らないだけだ。みんな学生時代はエースで4番だったとか、そんなんばっかりである。
それにメッセは決して打撃が苦手な投手ではない。たまに戦略的(?)無気力棒立ちになるだけである。昨シーズンは確か猛打賞をやったり、巨人戦でタイムリーを打ってみたり、過去にもあわやホームランのフェン直を打ったりしているのだ。……なんかこの打席でも、地味にライトポール際へ大飛球を放ったりして、結構なんというか……オーラがある。
何より。
「もう自分でホームラン打って、自分で完封すれば勝てるじゃん!」
≪カキーン!!≫
えっ(絶句)
僕は絶句した。貴重過ぎる絶句の機会、「ランディ・メッセンジャーのライトへの大飛球と、乾いたバットの音で絶句」であるから、とてつもなく嬉しい。この日小川の50球目、141キロの外角カットボールを、追い込まれてからコンパクトなスイングで捉えた打球。ライト上田がバックする。
上田がバックする。
上田がバックして……。
……見送った。
「えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ」
なんと入ってしまったのである。
まさかの、本当にホームラン。来日1号は、値千金の先制ソロホームランだった。
あっ、ホンマ(歓喜)
「六甲おろしに颯爽と\ソーレイケイケ!/蒼天翔けるゥ⤴︎日輪のww青春の覇気イィw⤴︎麗しくww輝く我が名ぞ阪神\ハンシーン/タイガース\タイガース/」
盛り上がりすぎて、後ろの、横の、前列の、全然知らない人たちともハイタッチ。小6の時はギリ遠慮して声が中々出せなかったけど、今はもう、スラスラと歌える。
「オウオウオウオウ阪神タイガァァァースwwフレェェフレフレフレェェェwwwバンザーイ!\(^o^)/バンザーイ!\(^o^)/」
「本当に自分でホームラン打っちゃったぞ?」
「完封して自分でホームラン打たないと勝てないとか言ってたら!」
とんでもない場面に立ち会ってしまった。完全にスラッガーの打球である。っていうかあれこそバースの再来なんじゃないか。名前もランディだし。来日もう7年目?8年目?くらい経過して、ようやく1号なのだというから、もう少し早く打ってほしかったのはあるが……。
冗談はさておき、とんでもない場面を目撃した衝撃はある。しかし、今は阪神が得点し、六甲颪を全力で歌える喜びのほうが勝っている。それを神宮では、例え全く顔も知らない人でも分かち合える。
嗚呼、野球場って……。
野球って……。
案の定である(二回目)
「後続倒れ無得点!」
「4・5回は三者凡退!小川5回1失点!!!」
ちーん。(笑)
なにわろ定期。なんもおもんないわ。何が野球場ってええなあ、野球ってええなあ、だよ。注意はしていたんだけど……出たわね。打てないわね、打てない。あと何イニング残ってんのよ!!
これが中継だったら本当になんもおもんないが、現地補正があるから今日は大丈夫だ。しかし、盛り上がり方はまるで優勝したかのようだったのに、結局4安打で1得点。普通に小川が好投しているだけであり、普通に「阪神は、先発・メッセンジャーが好投するも、打線が沈黙した」をやっているだけである。
一方。
「ランディ6回4安打8奪三振!」
「6裏2死一・二塁からサードゴロで無失点!」
ランディ・メッセンジャーは何故神なのか。
やっぱりこれは激アツな投手戦、エースのプライドがぶつかり合う好ゲームである。何がおもんな、つまんな、だよ。やきう観るのやめろ。すみませんでした。しかし「オレには1点あれば十分サ」とでも言いたげな、安定感・安心感のありすぎるピッチング。メッセね、いいピッチャー。でも野手はもう少し打ちましょう。
などと言っていたら、小川はマウンドを降りた。5回1失点にまとめたものの、5回裏の攻撃で代打を送られる。スワローズは2番手に左腕・中澤雅人を送る。
7回表;花火じゃなくていいから点入れて
さて、ラッキー7。風船は飛ばさなかった。そもそも周りも飛ばしていたのかどうかわからない。しかし風船も花火もいいが、
「そろそろ点取れよ」
である。
左右病?いや名采配だろ!
6回表を抑えた中澤が、この回もイニングを跨いで続投するようだ。対する阪神の先頭打者は、5番の高山……ん?
≪5番、高山に代わりまして、中谷≫
左右病キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
左の中澤に対し、脳死で右打者の中谷将大を起用。高山は守備ではいいプレーもあった(と記憶している)が、打撃ではノーヒット。昨シーズンの新人王が今年は不振である。というか今考えると、ライト福留はともかく、センター高山やレフト西岡、fire formationなかなかにレアな配置ではないか。
ちなみに今季売り出し中の中谷がスタメンを外れたのは、先発が右の小川だったからという以上に、昨日の試合でバント失敗をやらかしたからだろう。速報やTLを追っていただけながら「ならなんで3番打たすんだよ」なんて思った記憶がある。いつぞやにこのブログで言及したが、無死一・二塁の好機で犠打を期待する、という意図がクリーンアップ起用なのか?ということは、あのシーンにおいても疑問に思われていいと思う。
さて中谷、何事もなかったかのように、中澤の変化球にタイミングが合わず追い込まれる。しかし粘りを見せて7球目、
≪カキーン!!≫
「えっ?」
捉えたライナーがレフト線を襲う。
レフト線を襲う。
襲う。
いやなんか伸び……。
≪パコーン!≫
「ポールに当たったあああああああああ」
つまりホームラン。
代打ソロホームランは、値千金、貴重な追加点となる10号。ブレイク中の若虎が、ついに大台に達したのである。
「六甲おろしに颯爽と\ソーレイケイケ!/蒼天翔けるゥ⤴︎日輪のww青春の覇気イィw⤴︎麗しくww輝く我が名ぞ阪神\ハンシーン/タイガース\タイガース/」
「オウオウオウオウ阪神タイガァァァースwwフレェェフレフレフレェェェwwwバンザーイ!\(^o^)/バンザーイ!\(^o^)/」
誰だ左右病とか言ったやつ出て来い。ついでに花火じゃなくていいとか破壊力がないとかボロカス言ってたやつお前もだ。
大変申し訳ございませんでした。
一気呵成、伝家の宝刀炸裂?
阪神は続く6番鳥谷がヒットで出塁すると、交代した3番手・石山泰稚から、7番大和がレフト線に2ベースヒット。当時はスイッチ挑戦中だったので、貴重な左打席での安打である。
無死のまま二・三塁とすると、梅野が初球スクイズを決め、自身も相手失策でオールセーフ。一気に流れは阪神に傾いた。当時、タイガース公式実況のTwitterアカウントが、
【一軍】公式戦【阪神3-0ヤクルト】
— 阪神タイガース公式サイト実況速報担当 (@hanshintigersjp) 2017年7月23日
7回表 梅ちゃんの伝家の宝刀・セーフティスクイズ成功や!
投手:石山
打者:梅野
結果:ピッチャー犠牲バント(エラー)!
https://t.co/TkRjdHglz9 #hanshin #tigers #阪神タイガース #挑む
とツイート。伝家の宝刀だったのかあ。そら申告もしたなるわ!*19
チャンス襲来(上本博紀は天才)
続くメッセンジャーは2本目とはならず、凡退。色々あって2死2・3塁とすると、打席には上本博紀。
十年前はなかったが、聞き慣れた打音が始まる。
「\ドン!ドン!ドン!ドン!/オイ!オイ!オイ!オイ!」
「レッツゴー、レッツゴー、レッツゴー、うーえもとー!!!」
「チャンスだー振り抜けーかっとばせーー!!\オイオイオイオイ!!/」
「オオーオオーかっ飛ばせー、うーえもとー!!!」
「\ドンドドンドドン!!!/ヤクルト倒せ!!\ドンドドンドドン!!!/かっ飛ばせ上本!!\ドンドドンドドン!!!/上本!!」
≪カキーン!!!≫
「抜けたー!!破ったーーーー!!!!」(今日1回目)
追い込まれてからの変化球をうまく合わせた打球は、前進守備の左中間を簡単に破り、値千金のタイムリー3ベースヒット。大和・梅野の2者が生還し、あまりに貴重な追加点である。
9回
THQS(トラ・ハイクオリティスタート)
文字通りのラッキーな7回表に大きな4点。援護をもらった先発・メッセンジャーは、
「8回裏も上田・バレンティンを連続三振!!」
「8回無失点12奪三振!!」
ランディ・メッセンジャーは何故神なのか。
この12奪三振というところがあまりにポイントが高い。
僕基準TQSは「6回無失点以内1打点以上10奪三振以上」である。6イニング投げてくれれば、後ろには盤石の中継ぎが控えている。完封する必要は厳密には無いのだが、その代わり点を与えてしまってはいけない。阪神打線にとって、1点ビハインドは5点ビハインドだし、2点ビハインドは10点ビハインドなのだ。
奪三振も重要だ。打たせて取るピッチャーは阪神には向いていない。内野ゴロなんて打たせてもヒットになるだけである。大和が7人くらいいれば大丈夫なのだが……。ついでに言うと、援護はしてくれないので自分で打たないといけない。DH反対!
今日のメッセは無失点・12奪三振・さらに打点(本塁打)をクリアして、見事THQSを達成。さらに8回まで投げてくれたことで、リリーフの桑原謙太郎や高橋聡文*20が休養できた。ちなみに問題の守備はなんと無失策である。誰だ虎ブルとかとらのあなだとか抜かしてた奴出て来い。本当に申し訳ございませんでした。
歓喜
そして9回裏。阪神は守護神、ラファエル・ドリスにマウンドを託し―。
「あっとひっとり!!あっとひっとり!!」
≪カキーン≫
「セカンドゴロ!!試合終了!!!!」
遊撃から二塁に移っていた大和が捌いた。本当に大和のところに打たせたのである。マジで大和、7人欲しい。今成は9人求めていたが……。
ともあれ、
【一軍】公式戦【阪神5-0ヤクルト】勝利!なんといってもメッセンジャー!8回114球12奪三振無失点で今季10勝目!来日初アーチ感動したわ!男前やったで!これからも頼むで! https://t.co/TkRjdHglz9 #hanshin #tigers #阪神タイガース #挑む
— 阪神タイガース公式サイト実況速報担当 (@hanshintigersjp) 2017年7月23日
「六甲おろしに颯爽と\ソーレイケイケ!/蒼天翔けるゥ⤴︎日輪のww青春の覇気イィw⤴︎麗しくww輝く我が名ぞ阪神\ハンシーン/タイガース\タイガース/」
「オウオウオウオウ阪神タイガァァァースwwフレェェフレフレフレェェェwwwバンザーイ!\(^o^)/バンザーイ!\(^o^)/」
結果は0対5の完勝。
贔屓球団の白星を観る、初めてのゲームとなった。
3.おまけ
メッセは神
とりあえず何度でも言う。
ランディ・メッセンジャーさんは神である。
僕の記念すべき「現地観戦で初めてHRを打った”阪神の選手”(※オールスターを除く*21)」にして「現地観戦で初めて勝利投手になった”阪神の選手”」にして「現地観戦で初めてヒーローインタビューを受けた”阪神の選手”」なのだから。本人は完全に風のおかげだと謙遜するが、リプレイを見直しても、外のカットボールに対してコンパクトに対応したバッティングは、非常に巧かったといえる。
メッセは投げる方ではいつも通り、安定してゲームを作ってくれたといえる。著書で「吉村家(家系ラーメン)のような投手になりたい」と語っていたが、まさしく安定感で安心感の塊な大エース。この頃には既にベテランの域に達していたけれど、引退する2019年まで、長きに渡り虎のエースとしてのプライドを示してくれた。
ビールの味はまだ……
ところで、こんな一幕があった。応援歌以外に、10年前のエコスタではできなかったことである。
「俺らも20歳になったんだ、球場でビールで乾杯しよう」
「乾杯🍻」
同行してくれた友人と、ビールで乾杯。売り子さんから買うというのも中々新鮮な体験である。大好きな野球を観ながら、真夏の神宮で乾杯。きっと格別な味がするに違いない。
……違いない。
……………………。
(……にがい)
初の球場ビールは全然飲めなかったのだ。何これー!?とまではならなかった。何故かというとビールには既に色々あって「苦くて味がしないジョワジョワした飲み物」という認識があったので、苦いのは当たり前である。だが、僕は絶句した。貴重過ぎる絶句の機会ではあるものの、「20歳になって記念に友人と球場で乾杯しているのに、記念の一杯は全然飲めなくて絶句」であるから、とてつもなく情けない。
友人は美味しそうにビールを飲み干して満足げである。対する僕はというと、球場ですら飲めないのできっとこの先は飲めないだろう。……と、この時はまだそう思っていた。
いや阪神ちゃうんかい
この日同行して気合の金髪を披露してくれた友人。最近野球に興味を持ってくれて、キャッチボールなどにも付き合ってくれるなどしていた。この試合にも刺激を受け、より野球にのめり込み、共に虎党としてセ界を盛り上g―
「俺オリックスファンになるわ」
くぁwせdrftgyふじこlp;@:「」
〇んじまったじゃねーかこの野郎。
試合には勝ったのに、何か負けた気分になるのだった。
*1:後述の巨人対DeNA戦や、BCリーグ、高校野球はある。
*2:2013年のCSファーストステージ。結果は3位カープに2連敗で敗退。参照→ラストエリクサー能見 - 新・なんJ用語集 Wiki* (wikiwiki.jp)
*3:マウロ・ゴメスのこと。2014年から3シーズン在籍。もれなく「バースの再来」の再来かと思われたが……。
*4:呉昇桓(オ・スンファン)のこと。2014・15年に在籍し、2季連続のリーグ最多セーブのタイトルを獲得するが……?なお2024年も現役。
*5:当時は死ぬほどムカついたけど、ファン同士でバチバチする空気感は最高に楽しかった。現代の「く●■れはやめよう!」「○○倒せなんて不快!」とか言っている層に是非とも聞かせてあげて欲しい心構えである。
*6:2014年のこと。呉昇桓、ゴメス、マートン、メッセンジャーの助っ人4名がタイトルに輝き、シーズン2位。ポストシーズンでは広島に2連勝で前年のリベンジを果たすと、ファイナルも巨人を倒し日本シリーズ進出。参照→(☆●●●●) - 新・なんJ用語集 Wiki* (wikiwiki.jp)
*7:2015年のこと。後半戦にかけて調子を上げ、8月8日に首位に立つ。なお →2015年度 公式戦成績 | NPB.jp 日本野球機構
*8:2016年のこと。生え抜きの北条史也、横田慎太郎、原口文仁などを積極起用したほか、ドラ1ルーキーの高山俊が新人王を獲得。なお →超変革 - 新・なんJ用語集 Wiki* (wikiwiki.jp)
*9:ベリーグ - 新・なんJ用語集 Wiki* (wikiwiki.jp)
*10:by黒田 - 新・なんJ用語集 Wiki* (wikiwiki.jp)
*11:都・リーグ - 新・なんJ用語集 Wiki* (wikiwiki.jp)
*12:YBS球場もあるのだが、①毎年開催するわけではない②贔屓球団は来ない③下宿からなら信濃町・水道橋のほうが行きやすい、と言い訳をし続けた結果、4年間行くことはなかった。いつか行ってみたい。
*13:2016年に巨人三軍は来た。そのうち書くかもしれない別記事を参照。
*14:こんなこと言ってません……多分。
*15:七夕の悲劇 - 新・なんJ用語集 Wiki* (wikiwiki.jp)
*16:大松は代打出場したが、川端・畠山・雄平は結局出場なし。ベンチにはそもそもいたのかも怪しい。
*17:後述で代打HRを放つ中谷将大が、この年シーズン20本塁打をクリア。2006年の濱中治以来の快挙だった。参照→阪神中谷20号!生え抜き右打者では浜中以来の記録 - 野球 : 日刊スポーツ (nikkansports.com)
*18:2017年7月22日 【公式戦】 試合結果 (東京ヤクルトvs阪神) | NPB.jp 日本野球機構
*19:この翌年4月に起きた事件→申告セーフティスクイズ - 新・なんJ用語集 Wiki* (wikiwiki.jp)まさしく「地獄」の象徴だと言える。
*20:もう一人、マルコス・マテオというセットアッパーがいたが、直前にリフレッシュ休養のため抹消されていた。それもあり、余計に8回を投げてくれたのが大きかったと言える。
*21:2010年のオールスター第2戦、クレイグ・ブラゼルのホームランを目の当たりにしている。詳細はそのうち書くかもしれない別記事参照。