むしょくとうめいのらくがき

鉄道と酒と野球ではしゃぐ4歳魚と26歳児の気ままな放浪記とか落書き 

空気じゃないんです -2023.11.5

 今季5試合目は、公式戦に出場した。

やきう日和、空気も山も秋のそれ

 

 

 

 

1.続・スパイじゃないんです

 

 

tomo16change-up.hatenablog.jp

 

「今週もやきうの時間だああああああああああああああああああああああああ」

「二週連続でうるさいよ」

 はい。

 

創部初の公式戦

 しかしいよいよ大会、公式戦である。

 というのも、我がチームは創部以来、練習もしくは練習試合(自主対戦)のみで活動してきた。ナントカ連盟の何部に所属しているわけではなく、単発のトーナメント等にも出たことはない。その分、都度会場の確保と対戦相手を募ることになるのがデメリットとしてはある。一方では先日のように「相手チームの守備に就く」なんて事例も、ルール上問題にはならず、まあ「双方が良ければなんでもあり」な側面を持つ。

 さて、今回は山梨県内の強豪チームが主催するオープン大会で、県内企業の協賛のもと、山梨・東京西部などからチームが出場。合計3日間のトーナメント形式で優勝を争う。トーナメントでは特にそうだが「普段対戦しないチームとの対戦・交流が可能」ということも、大会に参加するメリットだ。我がチームにとっても、対戦相手はどうしても限られてしまうため、今回出場に至るきっかけとなった。

 この大会自体も今回が記念すべき第1回目の開催らしい。自チームはマネージャーを含め14名という過去最多レベルの人数が揃い、気合はじゅうぶんである。

 

 というわけで、近くでアップを済ませた後、15時のプレイボールに備え球場入りする。

 ナイター照明完備の本格的な仕様だ。外野は芝ではなく、全体的に土というより砂っぽい感じもあるが、それでもアガる。「鼓動が止まらない」である。対戦相手はユニ不揃い・同程度の実力と訊いていた割には、ユニはバッチバチに揃っているし、投手のブルペンを見た感じ120は出てるし、若干「思ってたんと違う」という空気も漂ったが、そんなことは気にしていられない。

 円陣でさらに気合が入る。僕自身も、アップ会場のキャッチボールから飛ばしている。直球の走りはよく、カーブもブレーキがかかり、且つ曲がる。少し荒れ気味だが、マウンドに行ってから修正で問題ない。

 といいたいところだが、今日は投げない。

 アップ会場でチームメイトから向けられる「投げないのに何で??」「試合より球走ってて草」「絶対守らないポジションのグラブで草」という視線が刺さるのだが、そんなことは分かっている。だが、こうでもしないと僕は落ち着かない。投げなくたって、投手としてやれることをやれる限りやる。そう決めている。

 

再・よぎる

 さて試合開始。

 公式戦とはいえ、いつも通りである。いつも通り全力で震えて、アガって、息切れして、おそらくは後悔もして、そして野球を好きになって帰るのだ。自チームは後攻。公式戦だからといって、2ストライクで三振になることも、フライ1個で1点入ることも、ない。

 僕のポジションは右翼。なんか色々と今シーズン御縁のあるポジションだが、どこでもやるべきことは変わらない。ベースカバー、走者のケアなど、同じである。

 

 1回、2回は恙なく無失点。エースの直球の走りが、いつも以上に良い。打者のデータがなくスイングも読めないけれど、真っすぐにタイミングが合っていないし大丈夫だ。早いところ先制点、である。

 2回裏、チャンスを作り、タイムリーと犠飛で2点を先制。内容も良い繋がりができた。ちなみにこの試合、公式戦ゆえに「時間制限」がある。リミットは1時間45分。これを越えて、次のイニングには入らない。確か点差コールドもあったはずなのだが、どうだったかな。となると、「先に(早く)点を取る」「攻撃を長くする」がこれまで以上に重要になるのだが、これを最高の形で実行した。なお16番という打者は2死1・2塁で打席が回り、何事も無かったかのように三振、チェンジとなった。一度に2人殺していないだけマシである*1

 

 しかし3回表、内野安打*2と四球で走者を背負うと、タイムリーで1点を返される。

 なおも無死1・3塁。犠牲フライでも同点だが、逆に同点に備える守備体系は引けない。外野のミッションは「1塁走者を帰さない」、これをセンターとも確認する。だが、右バッターならもう少し前でもいい、と、1・2歩前に出る。

 構えからしても、その打球方向や飛距離を読めない。先ほどのタイムリーだって、直球には振り遅れていたし、何ならボールの2.5個くらい下を振っていた。それが、痛烈な打球で三遊間を破った。ビヨンドの力もあるだろうけれど、それにしても綺麗なヒットだった。

(スイングが、読めない……)

 守っていて怖いのは、これである。弾道4のパワーAが一番守りやすいことは、いつぞやも述べた通り。せめて「どんな打球が来るのか」「どっちを狙っているのか」だけでも読めれば……。

 その、次の球であった。

 

 ―ドスンッッ!!!

 

 鈍い音だが、ビヨンドは「捉えた」ものも「打ち取った」ものもこういう打球音になりがちである。見た感じ、インパクト時の体勢が悪いせいか、飛距離は出ない。上がり過ぎ、振り遅れ、しかしこれは……。

「ライトー!!!!」

 ポジションで呼ばれる。打球が、粒から丸になる。その瞬間、声が……出なくなる。語彙力を喪失するとか、そんなレベルではない。発する声、息を失うのだ。マジ終わったかも、ヤバい、草、ウホホングダメだダメであるよ―そんななんj語を巡らせて、見物している余裕すら、無い。

 だが、捕るしかない。もう飛んできたと嫌でも理解する。足は落下点に「多分」追いついた。捕るしかない、捕るしか、捕るしか、捕るしか。グラブを出す。打球は失速し、その「点」の、僅か下に―。

 

「あっ……」

 

 ようやく自分の声を聞いたとき、その視界には砂。その先に、転がるボール。

 必死に呼ぶ内野手にボールを返したときには、同点のランナーが悠然とホームを駆け抜けていた。

 

丸と声が消えた

 何でもない「ライトフライ」が、犠飛ではない、アウトカウントそのままで得点になった。思わぬ形での同点。相手チームに流れは行き、その後も詰まった打球が野手のいないところにポトリと落ち、逆転。この回4失点で逆転を許してしまう。

 当然ながら、うち2点は投手の自責にはならない。捕っていれば帰らなかったランナーと、出塁しなかったバッターだからである。

 

「ライト切り替えね!」

「もう一本行くよ!」

 だが、先の事実には、ただ謝ることしかできない。投手にとってやってほしいことを、僕はできなかった。この直前に「こっちに打たせてください」とわざわざ言っておきながら、である。

 当然、守備側のやるべきことは、その次の打者の打球に備え、次のアウトを取り、イニングを終わらせることだ。イニング途中で謝っても、アウトカウントは増えないし、失点は消えることはない。だが僕の脳裏から、自分の方へ上がった打球が、出したグラブの先から消失する映像、そしてグラブの土手に当たって落ちるボールの感触が消えることもなかった。これが「もう一本」来るぞと言われても、むしろ歓迎できない。だが、

「よし来い!」

 としか言えなかった。

 

 続く4回、走者一塁からまたも平凡なライトフライが飛んできた。ドスッ!という鈍い音と共に打球は高く上がり、僕は同じように声を失い、上がり切ったと同時に僕の視界からそれは消え、出したグラブの土手に当たり、砂に転がった。二度目の失策―はしかし、スタートの遅れた一塁走者を二塁で封殺に取ったことで、「ライトゴロ」になった。

「トリックプレー?」

「走者を入れ替えたな」

 などとネタにしてもらったのが救いである。この回は無失点。

 だが、2本のライトフライを「ライトフライ」にできず、打つ方も何事も起こらなかった16番という外野手は、裏の攻撃で代打を送られ、ベンチに下がったのであった。

 

2つの「あれはなんだったのか」

 その後チームは3点を追う5回裏、一挙4点を奪い逆転。そのまま1点リードで最終回を迎える。

 ところで、試合要項にはこうあったはずだ。

【1時間45分を越えて、次のイニングには入らない】

 だがいっこうに試合が止まらないまま、7回表、1点リードを追いつかれてしまう。その裏は無得点に終わり、このままでは引き分け。だが、勝者は抽選なり何かしらで、決めなくてはならない。

 ……そう思っていたら。

「延長戦、無死1・2塁からスタートです」

 まさかのタイブレークである。

 ちなみに後々見返すと、この時点で試合開始から2時間10分が経っていた。「#(ハッシュタグ)とは」ってなもんである。多分前の試合が巻いちゃった*3とかで、色々となあなあなんだろうなと、この時点では納得していた。

 ところが、試合終盤に大幅に選手交代した相手チームが爆発。このイニングだけで11点を失った我々は、その裏無得点に終わり、敗戦。

 

 慣れないナイター照明。あるものと思っていた時間制限。だがそれ以前に、今まで見たことのないスピードボールに角度と、捕れるアウトを取れなかったこと。

 7対18という大差をつけられて敗戦した帰り道。現チームのメンバーと初めて食事に行き、日本シリーズ第7戦を見て、ノイジーの3ランに驚愕し、チームメイトの一人を途中まで送り、別れた後。ろくに焼肉を食べられなかったことに激怒するマスコロをなだめながら、共に思ったことがある。もう一つ、あれはなんだったのか?と思うこと。

 

「16番という選手はなんだったのか」

 

 こうして僕の2023年シーズンが、終わりを告げた。

 

 

2.おまけ

 

その他おもいで

  • 試合前;サークルの先輩に再会したところ「サプライズゲスト」と呼ばれる。ゲストも何も現役の選手なのだが、これから起こることを予感していたのかも……。
  • 試合前;軽めの打撃練習で投手を務めるも暴投連発。
  • 試合中;新蔑称「モミ山」。
  • 試合翌日;車中泊後、健康診断の会場へ直行。最後に食事をした時間を「午前4時すぎ」と回答しドン引きされる。
  • 試合後;阪神日本一の結果を深夜の高坂SAで知る。おめでとう、ありがとう、来年こそ現地*4行けると良いな。

 

インスタも見てね

 

 

久しぶりにみた景色

「道の駅つる」より リニアの実験線が見えます

 この里の空気美味しい

 そして昼と夕方五時にチャイムが鳴る里は推せる

 

今季の成績

※赤太字はキャリア*5ハイ

※青太字はキャリアワースト

 

【投手編】

試合:2 

投球回:5 

被安打:13 

与四球:7

死球:0

奪三振0

暴投:7 

自責点12 

防御率16.8*6

【野手編】

試合:

安打:0

犠打:0

犠飛0

四球:2

死球:0

盗塁:0

打点:0

得点:2

三振:3

打率:.000(7-0)

出塁率:.222

 

 

 マスコロ「おかしいのはお前の打率と防御率だよ」

 申し訳ございませんでした。

 

 

 そして一年間ご声援・対戦・一緒にプレー&自主トレしていただいた皆様、ありがとうございました。

 何よりもまず「今シーズン」をやれたことに感謝し、今後も野球を追求していきます。

 

 

 

 

 

 

 

*1:ちなみに今季併殺打は0。マニアとしては寂しい数字だが、そもそも併殺=芸術点になるほどの打者でもなければ、棒立ちが戦略になるレベルの実力なのでこれでいい。

*2:セーフティーバントのピッチャー内野安打。

*3:この試合も本来17時開始予定だったが、前の試合が不戦勝になったため繰り上がった。

*4:二軍では三条の西武戦に行ったが、一軍は三年連続無し。

*5:いずれも小~中の第一次現役は除く。

*6:いずれも7イニングでの計算(訂正済み)。1年目は2試合(4イニング)で15.75、2年目は3試合(3と1/3イニング)で14.71。なお3年目は一軍登板なし。