むしょくとうめいのらくがき

鉄道と酒と野球ではしゃぐ4歳魚と26歳児の気ままな放浪記とか落書き 

【虎仁朗が行く】虎の子よ竜を討て -2019.3.13 名古屋遠征【回顧】

試合終了からしなの5号の出発まで、約15時間。僕は名駅前で何をするつもりだったのだろうか。

383系「しなの」

 

0.序

 

 時は遡り、2019年の3月。白幸虎仁朗、大学3年生の春休み。

 

 昨2018年の春休みは思い切って、関西に出かけた。

tomo16change-up.hatenablog.jp

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 虎党たるもの、一度は甲子園で野球を観たい!という願望のもと、オープン戦のチケットを確保。泊めてくれる友人の家が京都なので、ついでに京都も観光した。開始早々にスマホの充電が切れ、第一の目的地がビックカメラになったり、夜の繫華街にビビり散らかしたり、往復の夜行バスで微妙に居心地が悪かったりするも、終わってみれば思い出に残る旅になった。

 

 そんなことがあったので、この春も野球を求めて遠征しよう。どうせなら、普段見ていないカードがいい。……そういえば、中日戦は観たことがない。中日対阪神というカードは、関東では開催されないのだ。そして名古屋も行ったことがない。しかし、一年前に兵庫までいったのなら、名古屋だって行ける。行けないわけがない。

 かくして行先は愛知・名古屋と決まった。今回は誰も友人が近隣に住んでいないので、ネットカフェを探して泊まり、行きは(懲りずに)夜行バス、帰りは電車にする。虎党にとってみれば、昔から相性は最悪な鬼門・ナゴヤドーム。しかし恐れることはない、球場がどこだろうと大差ないではないか!とヘラヘラ笑いながら、虎党は意気揚々と出発した。

 ……この休暇中、水戸遠征、帰省でだいぶ駅メモが捗っている。色々代償を払っていることはこの際、気にしてはいけない。

 

 

 

 

 

1.続・早すぎた

 

 というわけで3月13日の早朝、僕は名古屋駅前にいた。

JRセントラルタワー

「早すぎたwwwwwwwwwwwwwwwww」

 

続・どこも開いてない

 おそらく自分には「学習能力」というものが備わっていない。衰え、ではなく、この頃から既になかったのである。

 だが弁明しておくと、この時に「ファミマのイートインで時間を潰し、その後電車で6~7駅くらい移動しても、まだ動物園が開いていない」という経験をしたことにより、ようやく深夜バスで到着しても直後の移動以外さしてすることはないのだと学んでからは、深夜バスの移動を敬遠している。一年前の京都や今回の場合、到着が「目的地」になっているからよくないのだ。例えばこれが「乗り換え」であれば、少し休憩時間を見積もる程度でよく、そんなに退屈もしないだろう。

 

 というわけで、朝日を浴びるセントラルタワーや、名鉄の電車が走っていくのを見て、謎の感動を覚える。ここは名古屋、大都会である。東京も言うまでもなく大都会なのだが、高層ビル群や人の多さ、路線の多さ、電車の本数……そういったものにいちいち感動しなくては、旅を進められない。どう足掻いても僕は田舎者である。

 デーゲームとはいえ、7時前では当然、開門には早すぎる。とりあえず午前中は観光しようかな、と考えて、

ペンギン

 東山動植物園に来た。

 確か営業開始は9時だったはずなので、これでもまだかなり時間がある。敷地周辺を右往左往する。

 

「クソ寒い」

 去年の京都とは違う。そもそもの気候が違うのか、単に春が来るのが今年は遅いのか。ともあれ寒い。暖を取りたいなあ、と思っていると。

「少年!」

 ビクッ!と反応した。首元を触られたわけでも無いのに過剰である。地元の方らしき、散歩中のおじさんだった。

「あの(建物を指さして)中、あったかいよォ。そんな寒いトコいないで」

 あっ、はい。

 促されるままについていってしまう。知らない人についていっちゃいけません、という教えが実に日本の良いようで地味に悪い治安を示唆していたのだ、ということを、後々になってようやく気付くのである。アキバでは実際に出くわしたことがあるし、野球場でもいるらしい。何気ない会話を装って、何かしらの勧誘にもっていく。そういう時はNO!と断れ、とも教えられているが、言えれば苦労はしまい。

 ……で、何の勧誘だったのかというと、

「あったかいでしょオ」

「はい」

 待合所?のベンチで暖を取ることであった。

 駅からは少し距離があったし、車も入れない、公園のど真ん中……みたいなところだったような気がするが、何故そんなところに早朝7~8時台でも入れる暖房の効いた休憩所があったのかは、わからない。ちなみにおじさんはこれ以上何の勧誘もしてこなかったし、そもそも喋った記憶もない。山梨から来ました、いま大学生です、くらいは喋ったっけな。

 

ほのぼのした休日

 そんなわけで9時になったので、動物園に向かう。まるで開門を待っていた熱心なファンである。

シマウマとゾウ

 シマウマとかペンギンとか、あと赤い鳥(?)とか見て、満足する。他はワニとか水中生物が暮らすエリアも眺めた。気候もあいまって、実にほのぼのとした時間である。平日の午前中、都市を行き交うサラリーマン軍団に逆行し、ガラガラの地下鉄ナントカ線に乗り込んで、知らないおじさんにホイホイついていった甲斐があったというものである。ちなみに平日の午前だからこそ、なのだろうか、保育園児たちがキャッキャとゾウさんに手を振っていて、ほのぼのとした。

 あまりに穏やかだったので、

僕「はやくこれになりたい」

「アシカになりたい」

 思わず呟いてしまった。アシカの気持ちも知らずに、である。ああやって転がっていることですら、仕事になってしまったらどうやって息抜きするのか。僕も「労働なんかせず一生寝転がっていろ」と指示されて、なおそれが人目につく動物園の檻の中だったとしたら……まあ、発狂するだろうな。

 

 さて今日の本分は他にある。

トラである(違うそうじゃない)

「その声は我が友、李徴子ではないか?」

 ……。

 

 返事はなかったので、多分違うのだと思った。そもそも僕の友人にそんな人はいない。確か途絶する直前の眼に映っていた、解読不能な文章の中にこんな語句があった、ような気がする。どちらかといえば僕や友人たちに危機をもたらす側であり、断じて「友」ではなかった。

 しかしトラである。むしろトラがトラであるがゆえに、僕は彼と親しくせねばならなかったのだ。これが人間であったらたまったものではない。おお、トラよ。今日は此の地に巣くう竜を討たねばならぬ。そして、この地獄から脱し、必ずや兎や鯉をも討ち果たし、セ界の夢を取り戻す。……果たして、望みは叶うだろうか。

 

「今日は勝てるだろうか」

 …………。

 

 そっぽを向き、トラは檻の中を駆け回り出した。

 僕は動物園を後にした。

www.higashiyama.city.nagoya.jp

 

 

 

2.鬼門を攻略せよ

 

 というわけで、どうやって行ったのか忘れてしまったが、

いざ鬼門へ

 今日の戦いの地・ナゴヤドームへ来た。ちなみにまだ「バンテリンドームナゴヤ」になる前である。

 

 ナゴドへのアクセスは、JR大曽根駅か、地下鉄ではナゴヤドーム前矢田駅が最寄りとなる。あとから考えると、駅メモのことを考えれば地下鉄に乗るべきだったのに、乗った記憶が無いからそういうことなのだと思う。実に勿体ない。

 開門まではだいぶ時間があり、早く着きすぎてしまったと後悔した。昨年の甲子園ではギリギリになってしまい、試合開始には間に合ったが、スタメン発表は観れなかったのだ。僕の野球観戦でのこだわりポイントとして「スタメン発表シーンは観る」ということが挙げられる。どのみちバックスクリーンには出るのに、と思うかもしれないが、やきう民からの共感は決して少なくないはずだ。しかしポイントは「開門まで」の時間である。やはり張り切り過ぎた。目の前のイオンモールで適当に暇を潰した記憶がある。

 開場。今日は外野席だ。

やきうの時間だああああああああああ

「フェンス高えなあ」

 最前列でも外野手を見下ろす格好になる。神宮球場で前方に陣取ってみると、わかる。圧倒的に違う。

 フェンスの高さ、及びグラウンドの広さからしても、ホームランは圧倒的に出にくい球場である。同じドーム球場なはずなのにどうして東京とこうも違うんだというツッコミをしたいが、それでも練習となれば右の長距離砲の打球が近くに飛んでくる。ちょうど阪神・中谷将大の打撃練習にカメラを向けていると、高く上がった打球が中段へと届き、それをグラブを構えていた男性がキャッチする。拍手が起こる。絶対僕より上手い。

 

 試合は阪神・青柳晃洋がリズムよく試合を作るも、案の定打線が中日・吉見一起を捉えきれない。初回に1死3塁のチャンスで無得点に終わり、重苦しい雰囲気に……は、ならない。たったこのくらいのことで重くなっていたら、シーズン半ばで潰れるだろう。

npb.jp

 それでも4回にルーキー・近本光司が二盗を決めると、4番・大山悠輔がバックスクリーン左への2ランホームランを放り込み、先制。

 直後に1点を返されるも、青柳は最少失点で凌ぎ、6回からは継投。打線も6・7回と追加点を挙げた。1番に入ったルーキー・木浪聖也の2安打の活躍も光り、

とらほー

 結果、2対4で阪神は勝利を収めた。

 これが外野スタンド観戦では記念すべき初勝利。勝利の六甲颪とは実に爽快である。ちなみにこのチーム、2019年のオープン戦はこれで昨日に引き続いての2勝目。まあ、そんなものである。

 

 ちなみに球場散策やグルメは何にも満喫できなかったので、それは後悔だなあ。

 

 

3.虎の子、名駅にて右往左往す(待ち約15時間)

 

続・ビッカメに行きたいです

 というわけで試合は終わったので、帰る。公式戦でもなければ高架下もないので、終われば足早にファンは引き上げていく。そんなものでいい。「じゃあ、また野球場で」が、今日の友となった同志への、正しい挨拶なのだ。……と、思う。

 正直なところ、これから「家に帰る」ことも、頑張ればできるかもしれなかった。この世には新幹線という便利な乗り物がある。当時の住まいには、22時に新宿を出れば、その日のうちに帰宅することが出来た(記憶がある)。田舎なようで、東京に近い。何なら名古屋も行ける。料金や本数・時間に散々文句を言っていたような気もするのはさておき、理論上は両都市圏がとっても近いのである。

 だが僕は帰らなかった。

「まあ、せっかくだし?」

 みたいな感じで、大して何も考えていなかったのだと思う。

 

 とりあえず名古屋駅に戻る。あとのことはそれから考える、のノリである。甲府でもたまに見る313系……を、無理矢理重連にした各駅停車に乗る。こんな姿にもなるのか。身延線をのんびり走っていた2両のワンマンカーとは、同じ車両なのに、全く様相が違う。名古屋駅に到着すると、「今日も一日お疲れさまでした」などと放送が流れて、それが夕暮れのビル群の風景とあいまって、感動すると同時に何か申し訳なくなった。

 夕食にはまだ早い。だが、観光しようにも日が沈んだ後では、どうしようか、と思う。思い立って、

ここへ来た ※京都編も参照

「ビッカメがあるじゃないか」

 今度は充電は切れていない。にも関わらず、ビッカメ娘に会うために来たのである。ここには2人の看板娘がいるらしかった。

 適当に暇を潰し、お腹が空いたのでレストラン街を右往左往する。そんなに混んでいなくて手頃なものがいいな、と思っていたら、洋食屋っぽい雰囲気の店に入っていた。何か緊張するなあ。ちなみに出てきたのは味噌カツ定食である。結局あれが何の店だったのか、値段はいくらだったのか、わからない。写真を撮り忘れたのか、紛失したのか、はたまた居心地がそんなによくなくて写真なんぞとても無理だったのか……は、わからない。

 

ネカフェ難民

 ……食い終わってしまった。時刻は20時半くらい?まだネカフェに入るのには早いかもしれない。むしろ、これだけの時間を名駅構内で潰せていた自分に驚きである。

 今日はネカフェに泊まろうと思っていた。「とりあえず遊びに行って泊まるならネカフェだよね☆」「都会ならあるから安心だよね☆」のノリである。これなら頼れる地元の友達が住んでいなくとも、問題ないからヨシ!

 そして色々あって21時半くらいになって、名駅前のネカフェに入った。

 そして色々あって22時半くらいになって、名駅近くのネカフェに入った。

 

「……??????」

 

 Excelの連続データではないし、予測変換によるご入力でもないことをここに弁明しておく。 おそらく読者の皆様が上のようにお思いであろうが、僕からしても「入ったネカフェを30分で退店して他店に移動する」というのは、何がしたかったのかわからない。別に追い出されたわけでも無いことも併せて弁明しておく。店員からしても「???」だと思う。

 こうなった要因として「22時になると料金体系が変わる」ことがあった。深夜帯で上がったのか、下がったのかはわからないが、阿呆なことに「22時まで待つ」ことを選択しなかった僕は、「じゃあ22時になったら一度清算に来てもらえますか?」と告げられて、入店。22時、清算のためフロントへ出向き、料金を支払う。と、

「ありがとうございました~」

 お世話になりました~………????

 御礼を言われたからには出ていかないと、居心地が悪い。まあいっか、と思った僕は、あたかも「15分だけPCを弄りに来た客」を装って、退店。

 

 改めて他店へ移動し、今夜の寝床とした。この時既に21で次月22になろうとしていた僕にとって、ネカフェには夢が詰まっている。年齢を訊かれても「はい」と答えるのが真実じゃないか。……なに言ってんだ早く寝ろ。

 かくして6時ちょっと前くらいに起床。これでもネカフェなら眠れたほうだと思う。気持ちの良い朝の空気を感じながら、まだ一つお楽しみをとってある復路を始めるべく、僕は名古屋駅へと軽快な足取りで向かっていった。

 

しなの5号(9:00発)まで何をするつもりだったんだろう

 ちなみに出発予定時刻は9:00である。

 まだスマートフォンは7:00にすらなっていなかった*1

 

「早すぎわろたwwwwwwwwwwww」

 

 これではホームできしめんを食ったとて、駅弁(屋の開店まで待って厳選して小腹満たしになるもの)を悩んで買ったとて、まだ時間が余る。だが知らない街の都会で電車を眺めていれば、1時間くらいはあっという間だ。

 知った顔の313系が連なってやってくる姿。知った顔だけど違う色合いの211系。何なら211と313が連結する乱暴此処に極まれりな満員電車。各地へ向かう特急―681系やキハ85系。向こうの高架を優雅に滑っていくN700系新幹線。

 ちなみに今回のお目当てはこれである。

しなの(長野側の先頭グリーン車

 特急しなの5号で帰路に就く。こうすると、塩尻で乗り換えて山梨に戻ることが出来る。東西・中央線の旅である。

 ホームで食べたきしめんはうまかったので、飛騨旅行で通過した時もリピートした。それでも3時間近い乗車、その後も移動があることを想定すれば絶対に空腹になる自信があったので、軽食を買っておく。

 

天むす かなりうまかった

 この「天むす」とやらがまたかなり美味しかったので、名古屋から特急に乗るならこれもリピートしたいと思った。味噌カツといい、グルメは何だかんだ堪能した……かもしれない。次回は矢場とん、富裕層になったらひつまぶしもリベンジしたい。

 383の旅は楽しくて、都会をいきなりぶっ飛ばしてカーブにも高速で突っ込む走りっぷりに興奮……と言いたいところだが、眠い。アラームなしで起きたのに、やっぱりネカフェとか深夜バスでは眠れないのである。心地よい程度に暖かくて、余計に眠気を誘われる。が、眠りはしない。目だけは起きているが脳が寝ている。気付いたら塩尻だった。もう寝覚ノ床や妻籠宿は通り過ぎたらしい。

 

  この後は各駅停車を乗り継いで、のんびり帰った。赤新駅がたくさん取れた。だが、謎なことがひとつ。

諏訪湖 途中で休憩

「試合終了から約15時間*2、ほとんど名古屋駅にしかいなかったな」 

 その間やったことが、

  • ビッカメ
  • 右往左往
  • ネカフェ
  • ネカフェ2回目
  • 寝る
  • 右往左往
  • 見物

 である。

 おかげで試合には折角勝ったのに、なんだか負けた気分になるのだった。

 

 

4.おまけ(最近のギャラリー&インスタ)

 

 桜が咲きましたね。

 でもいきなり暖まり過ぎですね。

 

 やきうを観に行きました。

 なかなかに激アツ。

 

 マスコロは元気です。

 今日も元気に空腹で御立腹です。

 先日(というか先月)5歳になりました。

 

 

 僕も「やる」方に備えます。

これからまた「シーズン」が来る

 

 マスコロ「えっ終わり??????」

 はい。

 

 

 

 

 

 

 

*1:つまり、後述する一本前の電車「しなの3号」に乗ることもできたし、始発に合わせて早起きすることもできたかもしれない。まあ、寝坊に備えたと思われる。

*2:試合終了が16:52、そこからの移動を差し引いてもこれだけ余る。