むしょくとうめいのらくがき

鉄道と酒と野球ではしゃぐ4歳魚と26歳児の気ままな放浪記とか落書き 

黒雲の下ならあのアーチはきっと虹だった -2023.7.9~10

 連日降ったり止んだり曇ったり晴れたりしている。

 

 

 

1.2023.7.9 日曜日

 

 共通しているのは、分厚くて真っ黒な雲が空の半分くらいを占拠していて、その隙間から青空が晴れを主張してきて、かと思えば文字通りバケツをひっくり返したみたいな勢い且つ時間の雨が降ってきて、何も無かったかのようにまた青空が覗いている、ということであろうか。あとは、湿気。気温は大して高くなく、30度にいくことはまれ。にもかかわらず、重い空気に体力を奪われ、呼吸さえも苦しくなるような、そんな感覚に陥る。

 これが新潟の夏。ビニールハウス内のプールを監視していた時は勿論だけど、そうでなくても湿気からは逃れられず、気温表示との錯覚に苦しみ、しかしエアコンの除湿とかドライの機能こそが最強なのだと感謝する。まあ、仮に35度や40度を記録しなくとも、一定以上の気温且つ一定以上の湿度を同時に満たした場合の不快感は、文字通り”不快指数”として数字になるらしい。

 実際にどういう単位でその数字が表されるのかはさておき、さぞかし高い値になっただろうな、というのが今週、とりわけこの日・月曜日であった。

 

 このような気候は、小・中と野球部だったものとしては、体感として生命力を奪われるだけに留まらない不快感を与える。例えば中途半端に降っているとか、試合開始の直前に晴れるとか。そのまま「中止」と判断されればそれは完全なるオフとなるが、活動の有無が保留にされる限りユニフォームを脱ぐことはできず、試合や練習が開催されるなら溜まった水を吸っては出す作業が始まる。

 おお、思い出しても憂鬱になってきた。公式試合でもなく、1試合中止にする程度、何に影響があるのだ。最も、霧のような雨が降っている中で土に影響がなければ、わりと気持ちよくプレー出来たりするのだが……。

 

 そういう意味では、日曜日は程よく気持ちよいコンディションだったと思う。

三条パール金属スタジアムに行きました

 最も僕はプレーするのではなく、スタンドで観戦するだけの単なるファンだったわけで、グラウンドに立った選手たちはどうだったのかは知らない。まあ観戦する身としては、あまり日差しが強くなく、気温も上がらず、かといって雨も降らなかったので、異様に高い湿度以外は楽であった。そんな良い”スタンド”コンディションの中、プロ野球の二軍戦―阪神対西武のファーム交流戦がデーゲームで開催された。

 聞けば、昨日―土曜日は大雨で中止になったという。地方開催の日に中止とはファンとしては切なく、選手も移動の疲れが残るだけである。幸い連戦で、そのうち1試合は開催できたということだ。地方開催といっても、県内ではその立場をエコスタに取って代わられ、滅多にNPBが来なくなった三条の地である。ファーム戦といえど、楽しみにしていたであろう多くのファンが詰めかけた。

マスコロも行きました

 ……とはいえ、内野スタンドにいる限りじゃあ、本当に試合を観に来たのかどうか、9イニングじゃあ飽きてしまうのか、どちらのファンであるのか以前に、なんというのだろう……まあ、落ち着かなかった。確かに日頃は劇場だ併殺打だと言って、全く真面目に野球を観ていない僕であるが、仮にも”虎キチ”を名乗っている身からすれば、次からはちゃんと外野席に行こう、と思うのだった。どうしても、滅多に観られないプロの試合を見せて夢と感動を与えよう!というのだから、つまり僕の周りには青でもタテジマでもないユニフォームを着た少年少女たちが、キャッキャとしているわけである。おお、未来ある少年たちよ。野球を、プロの試合を観てくれ……と心の中で何度も唱えるが、思えば僕だって、チームに入ったばかりの頃は試合状況よりも大事なものが幾つもあった。それはスタンドの雑草をむしることであり、チームメイトとゲームの話をすることであり、早く休憩や帰宅をすることであったのだ。

 ちなみに”虎キチ”的には良くない試合展開*1だったが、再起を図る安打製造機高山俊が初回に西武先発・宮川哲の直球を完璧に右翼席に叩き込んだ2ランを目の当たりにし、周囲も憚らず興奮してしまった。さらに期待の若手である外野手・豊田寛と、捕手・中川勇人もそれぞれ本塁打を放った。

 僕の心は美しい本塁打*2によって満たされ、且つ、高山の復活*3と豊田や中川の大成を期待するのだ。おお、あのアーチは希望の虹である!あの弾道の先には虎の希望がある!!逆風切り裂くパワー!!若虎達よ、熱き猛虎魂で躍動するのだ!!!

 

 それにしても……阪神先発・茨木秀俊*4が初回で5失点したことに対し、熱心な阪神ファンの女性が放ったひとことが、

「初回に5点はきついわぁ~……」

 刺さるわぁ~……グサグサグサ……*5

 

 

2.2023.7.10 月曜日

 

 昼まで寝た。まあ起きたとて何もしないので、たくさん寝れてラッキーということにしておく。昨日に引き続き不快指数が高かったが、それを本当に不快だとは思わない。

 ただ、とりあえず散歩がてら本でも借りようと思って、回り道をしようと土手を歩いていくと、やっぱり形容しがたい息苦しさに襲われた。午後は3時半過ぎで気温は29度、なのに体力は奪われていく。暑い?いや、そうでもない。なのに、Tシャツの下は汗ばみ、吸った空気はたいへん重く感じる。

 

 やっぱり不快指数は高い。気温と湿度が一定以上だから、熱中症の危険だって高い。でも、きょうは暑いねえ、と言うとちょっと違和感がある気候だった。そんな見慣れた、重苦しい空気と黒雲の下を、草の香りを感じながら歩く。流石に伸びすぎていて、所によっては草刈機が咆哮を上げているが、所によっては人の背より高く生い茂っている。

 しかし30度に届かなくても、日が差さなくても、今はしっかりと夏なのだ。コンビニで買ったアイスコーヒーが十数分と歩いているうちにすっかりと汗をかいて氷を溶かし、またけたたましいアブラゼミの叫びを聞いたからである。

秋葉公園より

 公園で休憩する。見渡せる場所から、五頭の山脈は見えなかった。向こう側はきっと大豪雨なのか、はたまた空気がひたすら濁っているせいなのか。空気がやはり重い。ゆっくりはできない。

 図書館へ行く。数冊借りて帰宅してもよいが、どうせ暇だし空調が効いていて居心地がいいので、適当に本を読んで過ごす。そうしたら、またバケツをひっくり返したような豪雨。傘は持ってこなかった。まあ通り雨だろうし、そもそも傘で凌げるような降り方ではないし、止むのを待つ。しばらくして、ぱたり、と空が泣き止む。情緒不安定である。

 用水路はなおも轟音を鳴らしていた。草も、アスファルトも、色んなものが濡れて、それらが微妙な気温によって、香りを立てていた。夕暮れっぽい空が西の一角にあらわれる。が、虹は出なかった。あ~あ、また蚊がいっぱい出るんだろうなあ。路地に出来た水たまりは、僅かな青空にも反射して輝いていた。

 

 

3.おまけ(インスタ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:阪神 vs 西武(2023年7月9日)ファーム戦速報・結果・イニング速報|スポーツ情報はdメニュースポーツ (docomo.ne.jp)

*2:なお、阪神の5得点は高山の2ラン・豊田のソロ・中川の2ランと、全て本塁打によるものであった。

*3:なお高山は本塁打も放ったが、第三打席では一・二塁から見事に内野ゴロ併殺打を放ち、併殺打マニアとしての僕も大興奮させることとなった。

*4:帝京長岡高出身。なお西武で1番・遊撃で先発の滝沢夏央は関根学園出身。

*5:筆者・シラユキの今季初登板も初回5失点だったため。ちなみに茨木は2回以降立て直してトータル3回7失点(自責6)だったのに対し、シラユキは全く立ち直る気配もなく2回8失点であった。