むしょくとうめいのらくがき

鉄道と酒と野球ではしゃぐ4歳魚と26歳児の気ままな放浪記とか落書き 

■ -2023.6.12

生温い風に運ばれてくる草の匂いが、雨を予感させる。

 

 ……という内容のフレーズが、最近読んだ小説に書かれていた。立場は色々だけど、総じて何があるのか分からないし、一秒でも本気でそう思った瞬間があればそれは間違いなくその人の一部だよね、的なことを主張するストーリーだったと思う。いや、そうでないものもあっただろうか。

 

 先日、僕の趣味・趣向について尋ねられるシーンがあったが、なかなか一つに絞れないですね、なんて当たり障りのない返答をして終わった。場をやり過ごす手段としてはまあ読書だとか、昼寝・ごろ寝だとか、あるいは野球観戦だ、みたいな回答をする。しかし実際は、たまに好きな本に巡り合えることはあっても「本を読む行為が好き」かと言うとあまりそんなことはなく、昼寝の時間を返上して車を走らせたり電車に飛び乗ったりして出かけていく自分もまた本当の自分であり(で、結局車のシートを倒して寝るし、電車内で寝る)、野球は観るだけじゃなくやるのも好きだが、その割には3ヶ月に1回程度しかプレーしないのだ、みたいな事実もある。

 つまり、趣味や興味に限っても何をそうだと言っていいのかは分からないし、何か一つを取り上げてそうだと言っても何だか失礼な気がしてくる、というわけである。最近読んだ小説のテーマはもう少し重かったけれど、共通するのはまあ、一秒でも本気で嬉しかったとか楽しかったとか、そういう瞬間は大事にし、あとは何でも100%であることにこだわる必要はないじゃないか……みたいな、うん、そんな感じだった気がする。

 

 仕事と気絶以外の記憶がない一週間を過ごしてしまった。どのような出来事があっても、タイムカードの出勤~退勤の両時刻の狭間に見た映像を全て一括りにしてしまうのは、少し勿体ない気がする。だが一方で、そうやって切り替えてしまった方がやりやすいだろう、と考える自分もいる。

 先々週と比較して、「仕事」「睡眠or気絶」「それ以外」と分類した時に各要素に割く時間の割合は、大きく変化した。その中で大して変わらなかったはずの真ん中の項目が増えてしまったように感じるのは、1項目めによる疲労なのか、はたまた天気のせいか、あるいは減ってしまった3項目めの数値による印象だろうか。ある時は食欲を含むすべての欲求・思考を制圧して睡眠欲が勝り、ベッドに倒れ込んで3時間ほど眠り、眠いまま4~5時間ほど起きて再び眠った。自宅の車庫に停めたはいいが、眠すぎて車を降りられず、そのまま1時間ほど眠った日もあった。

 倒した車のシートの快適性自体は、決して上がってはいない。そこでよく眠れるようなスキルが身に付いたわけでも、おそらくない。どちらかというと、起きたときに目に何かゴミが入って充血するとか、無駄に頭が痛いとか、そういう不快感のほうが勝る。なのに、自宅の車庫にバックで入り、エンジンを止めたとき、何故か右手は背もたれのレバーを引き、僕は背中に体重をかけている。

 

 月曜日。平日に休むという、初めはなんだか背徳感と違和感に溢れた行為も、繰り返していると「特に何か出来るわけでも無いなあ」なんていう感想が残るのみである。

 混雑するかしないかは結局場所と時間と運次第。お金も、例えば高速道路とかは休日割なんてものがあって、JR東でフリーきっぷの類が使えるのはだいたい土休日である。一方で長距離バスとカラオケは休日料金=割増で、日帰り温泉とかも平日と休日で料金設定は異なり、だいたい休日は+100~200円とかだったりする。友人と休みが合わない、プロ野球がやっていない、行きたいイベントもない、休館日などで練習場所や遊び場がない、みたいに、一見するとデメリットのほうが多いような気がしてくる。だが、今日道の駅の食堂に寄ってみたら、待ち時間ゼロでテーブルはほぼすべて空いていた。

 休む日にこだわりがない、なんて言いながら、来月のシフトには2日分、土・日にあわせて「休」の文字を入れておいた。毎週そうしたいわけではないが、そうしたい週もある。だが、今日は役所へ余裕を持って行き、空いている道の駅で休憩し、食堂で待たずに座ることができた。それはそれで満喫したので良いか、ってことである。

 

 月曜日が終わる。世間でいう「日曜日が終わる」なのだが、感覚でいうと完全な同義ではなかった。たまたま予定がないだけで、今日は月曜日である。だが、仮にこれが日曜日だったとしたら、休日という甘美な響きに幸福感を抱き、充足感の中で眠りにつくのだろうか。

 網戸がついているとはいえ、窓を開けていれば小さな虫が数匹入ってくる。閉めれば暑い。六月の葛藤であり、且つ憂鬱である。全てこの微妙な気候のせいにして、言い訳をしてまた気絶する。何の話をしているんだっけ、と、何度目かも分からない雑記の締め方で筆を置く。

 

道の駅「阿賀の里」の食堂でおひるごはん

日本酒「麒麟山」で乾杯しました

 ネタがないのでこれから隔週火曜日更新にする予定ですが良ければ引き続きご愛顧を

(とりあえず来週はお休みになります)

(追記6/26 その来週もお休みになります)