むしょくとうめいのらくがき

鉄道と酒と野球ではしゃぐ4歳魚と26歳児の気ままな放浪記とか落書き 

空白を縫うのにホットカフェオレと菓子パンをここへ置こう

 休日出勤が終わった。引き千切りたい。

 

 シフト制なこの仕事にそもそもそんな概念はあるのかは疑問だが、確実に「休日」に当てはまるのは施設の定休日だ。さて、定休日で利用者は来ない(来られてたまるか)はずなのに、従業員は正社・パートとも全員出勤。まあ世の中には文字通り、矛を売るものと盾を売るものがいるのだ(現代にもいるのだろうか)。

 ここ一か月ほど、一日最低一回は業務中にムカついているが、何にムカついているのかは知らないし、だいたい退勤時にベルパンかエルレを流して、五分も車を走らせれば全部忘れる。

 

 その「最低一日一回」を出勤時に使ったせいか、勤務中は穏やかに過ごすことができた。何でも、研修と称してパラの正式種目になったスポーツを体験してみたり、4人がかりで転圧機を動かしてこの世の全てを呪ったりしてみた。中学の部活並みには死ぬかと思ったが、残念なことに何のトレーニングにもなっていないと思う。

 別な作業中、カラスとネズミが戦い、またネズミをめぐってカラスとトンビ?が戦うのを見ていたりもした。カラスが二羽ほどやってきて、どこから湧いたのかもわからないネズミをこれまた何故か追いまわし、必死でつついている。カラスがネズミを襲うとは思わなかったが、襲われるネズミは抵抗する。しかし一羽のカラスが勢いよく飛び去って行く。何かと思えば、別な種の鳥に対し激しく抗議しているようだ。大して知識もないのに仮定して申し訳ないが、トンビとしてはカラスがつついてひるんだところで獲物を横取りでもするつもりだったのだろう。

 カラス・ネズミ・トンビ?の、命のやり取り。各々の動物が、文字通り「必死」でやっている中で、半人間の僕がそれを眺めている。なんだこの絵面。どう考えても見世物じゃないのに申し訳ない気持ちである。しかし横取りを目論んだトンビが無事にカラスに敗北して去っていったところまでは知っているが、その後はどうなったのだろうか。まあ職場の敷地内で決着がついてしまってもそれはそれで面倒である。双方の武運を遠くから祈ろう。

 

 

 結局午後四時より前に家に帰ることが出来た。退勤と言えば聞こえはいいが、これが「帰宅」だと一気に嬉しくなくなるのはなぜだろう。母と姉の愚痴のような似たり寄ったりの会話に頷くふりをしながら、早食いにならないように夕食を恐る恐るつまむのにも、かなり慣れてきたと思う。今日のメニューには吉野家牛丼のパックがあって、丼に温玉を乗せて食べた。美味しかったから、余計に悲しい。これに無心でがっつく瞬間が幸せなんだ、と話をする余地は家にはないらしい。

 昨夜も「ちゃんとした和食」と何故か称された夕食を恐る恐るつまんだ。美味しかった。美味しい夕食が出てきて、お風呂と寝床があって、幸せなことには違いない。なのに、物足りない。浅はかにもそう思ってしまう自分がいた。

 少し前はよく休日でも夕食を拒否して一日中徘徊したりして、その時に一度「たまには一緒に夕食を食べたらどうだ」と言われたことがある。一緒に食べてどうするのだ、とは聞けなかった。昨日だって夕食後「散歩に行く」と偽り、車を走らせてバッティングセンターへ行ったのだった。

 

 先日のチーム練習時、打撃に関してアドバイスを受けたのに、良くても数球ファウルが飛ぶくらいで全くボールにバットが当たらない。マシンの105キロ(当然すべて直球)に、スイングどころかバントでもかすりもしないので、いよいよ目に問題があるんじゃないかとか色々疑う。たまに隣のゲージで友達同士やカップルのような若者が「当たった!当たったよ!」と言っているのを見て、悲しい思いをすることが増えた。

 打つ方はやめて、ピッチングゲームのコーナーがあったので、投げる方に切り替えた。フォームを動画で撮ってみると、自分ではしっくり来ているのに、相変わらずぎこちなく映る。フォームが自分ではいい感じで、コントロールもできて、ボールも比較的走るようになった。最近は、阪神・秋山投手のようにリリース時に声が出るようになった。なのに、スピードを示す数値には「71」とか「72」ばかりが表示される。悲しくなってくる*1。それでも最後の1ゲームでは9分割の的のうち6枚抜くことができて、スコアシートに「ナイスピッチング」と褒められた。

 

 練習という建前でバッセンまで車をすっ飛ばし、バッセンから更に遠回りで夜ドライブを楽しみ、コンビニで菓子パンをいくつか買った。日曜夜の、休日から一気に平常モードに戻っていくあのムードは昔から嫌いだったので、いい過ごし方になったと我ながら思う。

 今だって、夜なのにホットカフェオレを飲みながら、日付をまたいで落書きに興じている。暇なのか、あるいは満たされないからか。職場の冷蔵庫には大袋のお菓子を常備してあるし、隙あらば菓子パンを食べすぎる。おかげで少しずつ体重は増えてきた。健康的な増量ではないのは言うまでもない。

 カフェオレやその類が好きで、昼夜問わずよく飲んでしまう。これでも普通に欠伸は出るし、どの道すぐには寝付けないし、それでいて昼まで眠ってしまうだろうから問題はない。明日は夕方からだからいいのだ。

 ……ああ、仕事のことを思い出して嫌になった。引き千切りたい。何の話をしてるんだ僕は。

 

 

 

 

 

 

 

*1:それこそ当の秋山投手も自虐をしているが、その直球で振り遅れの空振りが取れるのだから武器である。球速よりも制球と質、また細かな投球術の重要性を体現していて、参考にしたい投手のひとりだ。