むしょくとうめいのらくがき

電車乗ってお酒飲んではしゃぐ3歳魚と25歳児 水曜日夜に更新 

【マロが行く】隣々の町にラーメンを食べに行こう -2021.12.20 羽越本線

 お腹が空いたので、魚を連れて外食へ行くことにした。

 

 電車を乗り継いで長時間移動し、目的地では食事だけして、滞在は30分そこそこで引き返してくる―人によっては交通費の無駄を指摘する意見もあろう一方で、特段珍しいことか、と言われればそうでもあるまい。もっとも、それが「新幹線で3、4県先へ」となると話は違ってくるが……。

 僕が学生時代を過ごした山梨・都留から、例えば八王子までは各駅停車で約1時間20分、甲府までは約1時間30~40分、東京へは2時間と十数分*1。予定のない休日は電車に乗り、名高いラーメンチェーンが立ち並ぶ街に赴いて、迷った末に美味しい一杯を頂く……という過ごし方をすることはよくあった。

 

 さて今回の目的地・村上まで、往路は1時間23分。

 実は相棒からも「食べたい」とリクエストがあったのだ。美味しいラーメンを求め、僕は新津駅の改札をくぐった。

 

 

 

1.新津(10:43発)→新発田(11:13着)/羽越本線

 

 4番ホームに待機していたのはGV-E400形単機。気動車1両、という運用形態が、何とも味わい深い。……しかし「居住地付近の公共交通」と考えると、複雑な気分になるところはある。

 一両の車内に立つ者はいない。客同士の空間に余裕を保ったまま、気動車のエンジンが咆哮を上げた。

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平野の雪化粧 -2021.12.20

 先日から新潟はn回目の今年最強寒波に見舞われ、阿賀野川の向こう側には白く染まった田園風景が広がっていた。今年こそは「雪化粧」程度で済むことを願う。この雪こそ米処・酒処への恵みであることは重々承知だが、生活するうえでは毎年無条件で立ち塞がる「障壁」なのだ。

 窓枠には相棒の魚がちょこん、と乗っかり、その向こう側を見つめている。仮に「引っ越しなんて嫌だ!ここから離れたくない!」と言っても、僕の手に掴まれれば付いてくるしかないのか。……いいや、難しく考えるのはよそう。

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新発田に到着!-2021.12.20

 思考は前日の睡眠不足(と、眠剤と鼻炎薬を間違えた影響)に邪魔をされた。眠りから覚めて終点・新発田のホームに降り立った僕と魚は、遅れているらしい新潟発・村上行きを待った。

 

2.新発田(11:27発)→村上(12:05着/羽越本線

 

 各駅停車村上行きの前に、先行する特急いなほが1番線へ滑り込んでくる。

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先行のいなほをお見送り -2021.12.20

 ホームの雪とわずかな日差しが鮮やかな車体を引き立てて、魚もご満悦。白き絨毯の上を颯爽と走り出していくE653系に、一緒に手を振った。

 この後の行程は相棒にはまだ秘密。そもそも、僕自身も大して何も決めていない。

 

 後続して4分遅れてやってきたE129系に乗り込んで、数十分。目的地の村上に到着だ。

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魚を見る魚と魚を見る魚 -2021.12.20

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マスコロ「捕食するぞ」僕「やるかやられるか……」-2021.12.20

 村上駅といえば大量に干されている鮭。うちの子が何やら上を睨むので、抱きかかえてホームを後にした。時間的にも都合がいいので、早速お店へ向かおう。

 

 駅からの道のりは500メートル程度しかない。店名の暖簾と「商い中」の看板に安心し、扉をガラリ、と開けた。

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「ラーメンこくまる」さんで、こくまる醤油ラーメン+煮卵(750円) -2021.12.20

 町の定食屋、という雰囲気を醸し出す店内には、常連客と思われる方がカウンター越しに店主さんと雑談する姿がちらほら。メニューを見て惹かれたものを指さして、

「煮卵トッピングでお願いします」

 オプションにあるのなら迷わない。スープに合うか否かの問題はあるが、醤油味なら相性もいいはずだ。……根拠のない適当予想はしかし大当たり。

「美味しい!」

 魚も大喜びだ。他に感想は要らない。僕は幸せである。……いつもならスープもすべて飲み干すところであるが、しばらくぶりにラーメンを食べずにいたせいだろうか、完飲とまではいかなかった。甲府の大黒屋のまくり券*2も、もう貰うことはできないだろう。

 

「御馳走様でした!」

 御腹一杯、幸せ沢山だ。時刻は13時ちょうど。滞在時間1時間ちょっとで、我々は村上を後にする。

 

3.村上(13:19発)→新潟(14:05着)/特急いなほ8号

 

 改札を潜り一番線ホームの先へ進む。と、何故か魚が困惑しているので、どうしたのかと訊いてみる。

「だって次の電車、特急って書いてあるよ?」

「うんそうだね、特急新潟行きって書いてあったね」

「……え、E129が特急で走るの?」

「次の特急は山形の方から来るから、交直どっちも走れる車両じゃないといけないね」

 言いながら、疑り深いなあ、と思った。確かにこんな主だから気持ちはわかる。しかし「特急券ならあるよ」と見せてやると、額の提灯がぴくん、と硬直した。興奮しているときの合図だ*3

「ええ!!ほんとにいなほに乗るの!?」

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ほんとにいなほに乗るよ!-2021.12.20

 サプライズ成功!

 言った手前、GV-E400やE129が代走……みたいなオチになったらショックである*4。ホームには無事に強風と切換セクションを潜り抜け、越後路に足を踏み入れた「フルーツ牛乳色」のE653系が滑り込んできた。 

 行きに新発田で見送った下りのいなほはグリーンも割と乗っていた気がする。平日とはいえ年末も近いことだし……と席の有無が心配だったが、杞憂に終わった。先頭の7号車には10名も乗っていなかったのだ。

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白き山々と田園風景、りんごジュースが美味い!-2021.12.20

「向こうの山、きれいだね~」

 つい1~2時間ほど前に見たばかりの雪景色が流れていく。白鳥さんもいるかな?と、相棒と一緒に探す。

 お気に入りの車両から見るそれはいっそう美しい。電子の4打音や「ひたちチャイム」がここでも流れるが、不思議と違和感はなかった。昨2020年の1月に「しらゆき」に初めて乗った時、車内チャイムは何を流すのだろう?と思ったら、常磐線で流れているアレだったので驚いた。

 いなほ号の終着駅は新潟。新発田から白新線に分岐し、新津へは行かない。

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堪能しました!-2021.12.20

 新幹線乗り換えの利便性を図るためか、新潟駅は5番線ホームがすっかり定位置となった。改札を挟んだ向こうに待機していたE7系のもとへ、大半の乗客が走っていく。スムーズな乗り換えを促す放送が聞こえてくるが、今日は関係ないので無視。のんびりと記念撮影した。

「楽しかった~」

 この後はジュンク堂書店で本を買い、新津行きの各駅停車に乗り込んだ。

 昼食と書籍の購入が目的な旅にしては少々時間がかかったが、まあ僕も魚も幸せなのでOKだ。見開いたままの目と口の奥にスマイルが弾ける。……えっ幻覚?そんなはずはない。

 

4.後書(今回のメモリー

 

【新津~新発田~村上~新潟】17駅。所々抜けはあるけど是非やってみてほしい。なお単純な運賃としては、

・新津~村上※新発田経由 990円

・村上~新潟 1170円(自由席特急券なら+950円)

・新潟~新津 330円

 である。

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よかったら挑戦してね!

 ちなみに真面目に乗り換え(?)ても、新潟14:25発の新津行き*5に乗れば、新津着は14:46。これ17時半からのシフトだったら余裕だったな……と、思いもしないところで前職の後悔を一つ増やしてしまうのだった。

 

 

 

 

 

*1:なお谷村町~八王子の運賃は1240円、東京までは1990円、甲府へは1330円。

*2:横浜家系のお店。スープを飲み干す「まくり」をすると割引券とかトッピング券が貰える。

*3:すべてイメージです

*4:それどころか運休というシナリオも、特にこの時期は珍しいことではない。

*5:この一本前、14:07発の長岡行きも出ているが、乗り換え時間が少ないので無理はおすすめしない。