大掃除に取り掛かった。
年末といえば大掃除。
自慢するわけではないが、この「すっきりして新年を迎えましょう」という謎の風潮にも僕は大学2年生まで真面目に従っていた。……いや、謎ということもないか。むしろズボラを絵に描いた人間にとっては、これはむしろ理にかなっている。
最初はベッドの下。四つん這いになっても潜ることは不可能なので、えい、と力業で定位置から動かす。すると、
「ここの床だけ白くね?」
なんということだ。正確には薄い灰色、といったところだろう。どう考えても本来のものではない色に染まった床や、何を詰めてあるのかもわからない段ボール、古教科書の山……。
試しに何故かヨレヨレになった箱を一つあけてみると、試験範囲と注意事項以外のほぼ全てを聞いていなかったにもかかわらず及第した講義の教科書たちが、大して開いてもいないのにこれまたすっかり傷んでいた。どうも当時の僕は「本棚に入れておくと邪魔だけど、いつか使うかもしれないから」などと語っていたらしい。許してくれ教科書たち。大学1年の前期に買ったものなら、丸二年あの暗闇に放置されたことになるのか……。
さて掃除機をかけて資源ごみを縛り、ベッド下の床がよみがえった。お次は窓枠を拭こう、ということで、ウェットティッシュで一拭き。
「驚きの黒さ!」
一人粉洗剤のCMごっこは楽しい。が、決して気持ちよくはない。真っ黒な紙切れを大量生産・大量消費。窓ガラスの水滴ってよくよく考えたら自然と人工物の共同傑作だが、こんな神秘はいらない。
……ううむ。たった六畳一間という空間で自分ひとりしかいない(し、基本誰も来ない)のに、こんなに汚すことができるのはある意味才能ではないか?懐かしいが、あまり誇るべきではない思い出だ。優先してケアするべきは友人宅の散らかり具合ではなく、自宅に散乱した埃と湿気の除去だったはずだ。退去時、どれだけ拭いても落ちない黒カビを見て絶望しても遅いのである*1。
さて実家。
基本的に予定のない休日は物を売るか捨てるかしている。ゆえに、昨年4月に強制送還されてきた当初と比較すればかなりすっきりとした。それはそうである。壁には野球選手のポスターや、小4の時に作って以来一度も役立てていないホワイトボード工作、少年野球で着用していたユニフォーム、高校の体育祭で着用後落書きで満ちたTシャツ……なるほど、これまた掃除がはかどりそうな。
ちなみに軍団Tシャツや卒業アルバムにメッセージを書くのはよくある話だと思うが、高3の時は中々酷い。「乙www」なんかはまだ良い方だ。いかに僕に似せずに描けるかを競った似顔絵コンテストが開催されたし、勉学に「はぐくめ!」というメッセージもあった。色々な意味で酷い。しまいには、
【呉昇桓】
とだけ書いてきた友人もいた。これはきっと熱いエールなのだ。おかげで2015シーズンは2年連続のセーブ王*2を獲得し、翌年からMLBに活躍の場を移すこととなった*3。……違う、そうではない。
ということでまずは記念品や、やはり古教科書類の整理。
実家暮らしに戻るにあたり、最初に手を付けたのは卒アルや証書の類だった。ちなみにTシャツとは対照的に、中・高卒アルの自由記入欄はすっきりとした白で塗られている。おかげで未練なく縛ることができた。
教科書やレジュメを捨てられなかった理由は簡単。後々「役に立つかもしれない」と、そう親父に教えられていたである。本棚に放置しているだけで復習になるのではそんな良いことは無いだろう……と、壁一面にびっしりと本が並んだ父の書斎を見て思うのだった。配列がもう何年も変わっていないようだが、あれこそちゃんと掃除しているのだろうか?
飾られた玩具やフィギュアも整理した。日本製のそれとは思えないデザイン且つトミカの数十倍はありそうなサイズの消防車の玩具とか、未開封のまま20年放置されたフィギュアのセットとか。抽選で当たってしまったとか何とかで、箱のままとりあえず飾っていたわけである。リサイクルショップに出してみたら思いのほか高価になったので、そのまま買い取ってもらった。
100円とかになれば御の字だが、値が付かなくても引き取ってくれる場合があるのでこういう店は実に便利。また、段ボールや古紙などの資源ごみや、小型の家電製品はそれぞれ回収ボックスなんかもあるので非常にありがたい。例えば毎週月・水・金とかのペースである可燃物と違い、資源や不燃などは月に一度ほどしかない。回収日に起きられないと絶望だが、そういう時にスーパーの脇に回収ボックスがあると、安心感は半端ではない。
かなりすっきりできた。気持ちよく新年を迎えられそうだが、いつも整理しておけ、という話である。
……ところで書いていたら、棚の上から姿をのぞかせていた紙袋が気になった。引っ張り出してみる。
【にねんせいのおもいで】
速攻破棄!!!!!!!
【追】
2021年もお世話になりました。
↓記・おもいで ※写真とは関係ありません
・2021.8.22 日本海ひすいライン新駅再履
・2021.9.13 只見線でMO新潟達成
・2021.10.27 ツアーにて只見shu*kura乗車
・2021.11.6 新潟車両センター見学
・2021.11.19~21 関東遠征 「あずさ」「りょうもう」、新幹線など乗車
・2021.12.20 村上→帰路で「いなほ」初乗車
2歳の相棒はすっかり「でんしゃ」の虜。稚魚と自称「乗り鉄」の気ままな旅、これからも見守っていただけると幸いです。
2022年も兄弟共々、何卒宜しくお願い申し上げます。